外伝2 二択
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ひゅん!ざしゅ!
これで何体目だろう
すでに何体倒したか覚えていない。
剣はそろそろ刃こぼれしてきて切れ味が鈍っている。
体力的にもそろそろ限界が近い。
だが、彼は引き返すわけには行かなかった。
疲れた体に鞭を入れ、最深部を目指す。
(まだ行ける。行けるはずなんだ)
ずるずると足を引きずりながらも彼は向かう。
大切な人を取り戻すために。
(まだ、いける!まってろ・・・フィー)
体は疲れ果て思うように動かない。
だが、彼の眼には強い力が・・・
「ちょ!ちょっとまってよプロローグからして私大ピンチじゃない?」
こら!こらこら!!いきなり何を言ってるんだね君は。
まだプロローグなんだから割り込んでこないの!
「だって〜!これじゃ私、捕われのお姫様みたいじゃない!」
いや、実際そういう設定にしようかな〜と思ってるし。
「と言うことは助けに行ってる剣士は僕かな?」
「シオンまでその気にならないでよ〜」
「何言ってるんだい。捕われのお姫様が君なら、助けに行くのは当然僕じゃないか。それとも、僕じゃ役不足かい?」
「そ!そんな・・・そんなことあるわけ無いじゃない。でも私の為に危ないことして欲しくないの」
「ありがとうフィー。でも、僕は君を助けるためならどんなことだってするよ」
あ〜君たち、勝手に割り込んできて勝手に盛り上がらないように!
・・・たく!話の構想が崩れちゃったじゃないか〜。
やめやめ!この設定やめる〜
「え?やめちゃうの?ちぇ〜。せっかくシオンがかっこよく私を助けてくれるはずだったのに〜」
どっちなんだよ〜!進めて欲しいの!!変更して欲しいの!
「僕はどっちでも」
「ちなみに変更路線だとどうなるの?」
・・・考えてないよそんなの。アドリブ全開でいくしかない。
「それ、面白そうなのでそうしましょう」
「僕はどっちでも良いので、お任せしますよ」
はいはい・・・じゃあストーリー少し変えます。わいわい楽しい方が良いんでしょ?
「当然!」
じゃ・・・う〜ん・・・前回の外伝ラストシーンから繋げますかね。
「「は〜い」」

と言うわけで!タイトル変更

二人の時間
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「やあ、ここ良いかな?」
自分の座っているテーブルの向かいに一人の男が腰掛ける。
「他のテーブルもあいてますけど?」
「一人で食事するのはつまらなくてね。一緒に良いかな?もちろん食事代は僕が持つよ」
「そういうことなら、どうぞどうぞ♪」
「ありがとう。あ、僕はシオンって言うんだ。君は?」
「私はフィリアです。よろしくシオンさん」
「シオンで良いよ」
「はい、じゃあシオン。私のことは・・・好きに呼んでください」
「じゃあ、フィーって呼ばせてもらって良いかな?」
「ええ、良いですよ」
ザイドの酒場で知り合った二人。どちらも剣士である。
男の方はシオンといい、笑顔がとても素敵な剣士さん。
腕前の方はまだ、それほど強いわけではないが、一人で旅が出来るくらいの腕はもっているらしい。
そして、彼の向かいでA定食を満喫している剣士がフィリアである。
もう!元気一杯に食べている。
不思議と意気投合した二人は一緒に旅をすることになった。
芸人の町マデリン。
首都エリム。
剣士の村ライム。
アデル修道院。
世界中を旅し、最初に二人がであったザイドに再び戻ってきた時には二人ともそれなりの腕前に成長していた。
「ふ〜疲れた〜。ねえ、シオン。私たちがここで出会ってもう二年になるのね」
二年前、ここの酒場で出会った頃を思い出すようにフィリアは遠い眼をする。
「二年か、もうそんなになるんだね。君の見事な食べっぷりは今でも変わらないけどねw」
「も!もう!!なんでそんな変なことだけ覚えてるのよ!!」
「はは。ごめんごめん。っと・・・今日の報酬をマスターからもらってくるよ」
いつもの素敵な笑顔を残し、シオンは酒場へと向かうのだった。
一人残されたフィリアは少しむくれていたが、気を取り直し普段着に着替えて買い物に出かけることにした。
二年前と変わらない町並みをゆっくりと歩く。
(あの頃はこんな普段着で歩いたことなかったな〜)
物思いにふけりながらのんびりと歩く。
時折吹く風に髪をなびかせて。
真っ白な街をゆっくりと歩く。
と、大抵定番のお方たちが声をかけて来るのだった。
「やあ、お姉さん一人?俺たちと遊ぼうぜ」
「お約束ってやつよね〜」
「俺たちもそう思うが、まあ、気にするなよ」
「じゃあ、私もお約束の答えを返すとしましょう。遠慮しておくわ」
「そう言うなよ、損はさせないからよ〜」
「しつこいわね〜嫌よ!」
お約束の展開にお約束の問答
定番ですな〜。
で、この後、ナンパ男ぶちきれるっと。
「人が下手に出てれば良い気になりやがって!」
と、ここまでお決まりだと次はもちろん・・・
「おい!嫌がってるだろう?無理強いするのは男じゃないぜ?」
正義の味方登場っと。
「あら、シオン。報酬は受け取ったの?」
「ああ、で、次の依頼の話もあるんでちと一緒に来てくれないか?」
「ええ、じゃあ行きましょうか」
すたすたと立ち去りかけた二人をナンパ男達が引き止める。
「何を勝手に決めてやがる!行くってんなら女は置いてけや兄ちゃん」
「フィー、先に行っててくれ。少し彼らと話を付けてくるから」
「ほどほどにね」
「もちろんだよ」
その場を立ち去るフィリア。
場に残されたナンパ男たちとシオン。
「3対1だが、かっこつけたてめえが悪いんだ。悪く思うなよ」



カランカラン
「お帰りシオン。遅かったね」
いつもの爽やかスマイルを見せながら余裕の表情でフィリアの隣まで移動する。
「仲間を呼ばれちゃってね。まずいな〜何人か逝ったかも・・・」
「まあ良いじゃない、で、依頼だけど・・・これ、受ける気?」
「この辺じゃ僕達が一番LV高いからね。正直きついと思うけど、君と一緒なら行けると思う」
「まあ、こんな外れの町にそうそう冒険者が来ることもないだろうし・・・仕方ないな〜
 でも、無理そうだったら諦めて引き返すからね?」
最後の言葉はマスターに向けて放ったものである。
マスターも十分危険なのを承知しているため、そうしてくれと頷くのだった。
「じゃ、そうと決まったら準備しよっか。マスターいくらか前金でくれるんでしょ?」
もちろん!
と机の上に金貨の袋を二つ置く。
どちらも結構な額が入っているみたいで、ほど良い重さであった。
「食料とかは僕が買っておくよ。フィーは武具の点検を頼む」
「任せてよ。この街は良い鍛冶屋がたくさんいるからねw」
準備を済ませ向かった先はアレフD
目的の敵はこの洞窟の奥にいる謎の敵
雪が積もりあたり一面を神聖な白で覆った世界にあって、
洞窟の入り口だけは闇を称えるように暗いその口を大きく開けていた。
「フィー、この冒険が終わったら聞いて欲しいことがあるんだ」
「今じゃだめなの?」
「ああ、これが終わったら、きっと君に話す勇気が身につくと思うから」
「わかった。じゃあさくっと終わらせましょう」
元気一杯で洞窟に入っていく。
「フィー、どんなことがあっても、君だけは守ってみせるから・・・」
そんなフィリアの姿をやさしく見守りながらシオンは自分の決意を口にする。
この冒険が後の二人にどういった影響を与えるのか・・・
運命の時は刻一刻と近づいている。



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あとがき
どうも、フィリアです。
私のお話の第二話が公開されましたね。
最初の冒頭部分ではどうなることかと思ったけど・・・
アドリブの部分の話は実はこの後の外伝3話にそのままつながりそうな内容ですよね〜
っと・・・あんまり変なこと言うと作者の方に怒られるので。
さて今回、シオンとの絡みが多かったですね。
話を付けに行くといってやられちゃったナンパ男さんは大丈夫かしらね。
何人来た!とかそういった感じの話は一切ないから私にもわからないのよね。
それに、シオンったら・・・最後の死にフラグ的な発言はなにかしらね〜
本編じゃ元気に・・・
っと、これも作者の人に怒られちゃいそうなのでこの辺にしましょう。
あら?作者の方からのコメントもあるみたいですよ。
じゃあ、私はこの辺で。
本編または外伝3話でお会いしましょう♪

こんにちわ(こんばんわかな?)作者です。
今回の外伝いかがでしたか?
外伝のノリは本編と少し違ったものにしようと思ってまして、で、最近リプレイというものにはまってまして。
ちょっとだけ、そんな感じのノリも入れてみました。
内容の方の解説を少ししておくと、
舞台はザイドです。外伝は必ずザイド周辺を舞台にしております。
理由は、BOSSがいるからです。
そう!あの方がBOSSです。
本編側でのBOSSもあのお方にしようと考えてます。
と言うわけで、次の本編または外伝にもご期待ください。

ではここで、恒例(?)の製作裏話を少し書いておきましょう。
実はこの話二日で仕上げてます(笑)
で、最初の一日は冒頭のプロローグで進めるつもりで作成してました。
フィリアが突っ込みを入れるところまで実は完成してたんですよね〜
その後の展開とかも頭の中では出来上がってました。
ですが、次の日にひらめいたと言うか、豆電球がぴろりんと光ったと言うか・・・
で、急遽話を変えてみましたw
ただ、最初からまったく変更させちゃうと昨日の分がもったいない!
ならば昨日の分もそのまま使って今回の話に持っていこう!!
とまあ、そんな感じの論争が私の中で起こりまして・・・(なんじゃそりゃw)
結局、今回のような形に落ち着かせて見ました。
展開的にも良い感じで進んでいるな〜と作った本人も感動しております。(言い過ぎだねw)
まあ、次の話は私の苦手とする戦闘シーンが出てくる予定なのでそこをどうやって切り抜けるかですね。
誰か上手に戦闘シーン書ける人いないかしら・・・
なんとかなるさ〜♪
の気分でがんばって作っていこうと思います。
次は流れ的に本編の続きになります。
でわまた、本編の方でお会いしましょう。

PS
スランプ脱出かどうか分からないけど現在設定がぽんぽん出てきてます。
出すぎてすぐに枯れちゃいそうですけど・・・(^^;
次の話もがんばるぞ〜♪