外伝1 出会い
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「寒い・・・」
見渡す限りの雪野原。
一面の銀世界〜等と浮かれることが出来るのは景色として楽しむ余裕のあるものだけである。
では、余裕の無いものにはどう見えるのか?
「街が見えない、食べ物も無くなってきた」
遭難・・・
そういっても差し支えないような危険な状況のようである。
「だめ・・・お腹が空きすぎて。なんだかとっても眠いんだ」
どこから連れてきたのか謎の犬が一匹剣士のそばで横たわっている。
パト○ッシュ・・・?
頭上から羽の生えた天使が降りてきて・・・
「って、どっかの童話の世界を実現してどうする私!」
がばっと起き上がると今まで眠っていたのでは?という犬も元気に走り去っていく。
「街はもうすぐ!ファイト〜私」
気合を入れて雪の中を歩き始める。なんとも元気な剣士である。
ここは、世界の果てと呼ばれる大地。
一面を雪が覆い、決して解ける事の無い極寒の地。
一般の人間が踏み入れることの無い地。
でわ、なぜこの剣士はこんな地を歩いているのだろうか?
話は数日前にさかのぼる。



「ねえ、マスター。なにかお仕事な〜い?私、お金無くって〜(;;)」
ザイドの酒場でカウンター越しにマスターに仕事の斡旋を頼んでいる剣士こそ
今回の主人公にして、プロローグで遭難していた剣士である。
「うっさいな〜、遭難なんてしてないよ?私は」
誰に話しているのやら・・・
「お嬢ちゃんに出来る仕事かい?他をあたってくれ」
「ちぇ、じゃあ何か出来そうなのきたら声かけてよね」
しぶしぶ酒場を出ようとしたとき、
「やあ君、仕事を探してるんだろう?一つ俺の依頼を受けてくれないか?」
一人の騎士が声をかけてくる。
騎士の名はヒスオール。かの有名なデュランの騎士である。
「依頼?依頼ってなんです?お金になります??」
ひゅんと目に見えない速さでヒスオールの隣に移動する剣士。
「ば、ばかな。俺にも見えなかっただと?なんて早さだ」
「そ・れ・よ・り!依頼のお話を〜」
依頼の内容を早く早くとせかしている。
その目は獲物を見つけた猛獣のようであったと後にヒスオールは語る。
「あ、ああ。えっと、君の名前は?」
「フィリアと言います。剣士です」
「じゃあ、フィリアさん。君に依頼したいのはこの地図のこの場所にいる男から
 質問の答えをもらってきて欲しいというものだ。簡単だろう?」
テーブルに地図を広げ場所の指示をする。
指示された場所はザイド西に広がる雪原地帯の奥。
「行って帰ってくるまで。まあ三日といったところかな?どうする?やるかい?」
「やります!で、報酬は?出来れば前金がいいな〜」
「そうだな〜、手元に水晶があるからこれをやるよ。これでどうだ?」
「お金が良いんですけど・・・まあいっか」
「じゃあ、商談成立だ。この手紙に質問が書いてあるからこれを渡してくれればいい」
手紙と報酬の水晶を受け取り、酒場を後にする。
その足で向かったのはザイドの中央広場・・・
え?世界の果てに行くんじゃなかったの?
「準備が必要です!水晶じゃお腹は膨れませんから」
はぁ、そうですね。で?どうします??
「こうします。どなたか水晶買いませんか〜格安ですよ〜!」
露天商ですか・・・見事です。
相場よりもかなり安めで出したのですぐに売れ、見事にお金をGETしたフィリアであった。
「さあ!世界の果てへ行こう!!」
持ち逃げしないのはさすがフィリアさん。
「当然ですw」



という訳で回想シーンおしまい。
「長い回想シーンだこと・・・」
ほっといてください。それより、街は目の前ですよ。
「やっとついた〜♪さっそく酒場に向かいます」
酒場に入るとヒスオールがにこっとフィリアを出迎える。
「よう!遅かったな。で、依頼の方はきちんとこなしてくれたかい?」
「ええ、手紙を預かってきましたよ。はいどうぞ」
手紙を受け取りしばし目を通すヒスオール。
「ありがとう、これでOKだ。これはおまけだとっときな」
もう一つ水晶を手渡してくれた。
「ありがとう。助かります〜。ところでマスターご飯お願い〜A定食ね〜」
「あいよ。ほれ、このスープはサービスだ冷めないうちに飲んで待ってろ」
「わ〜い。マスターありがとう〜♪」
スープを飲みながら注文した料理を待つ。
しばらくして、注文したA定食が出来上がり、テーブルの上に現れるw
「久しぶりにまともなご飯が食べられる〜♪いっただきま〜す」
「やあ、ここ良いかな?」
自分の座っているテーブルの向かいに一人の男が腰掛ける。
「他のテーブルもあいてますけど?」
「一人で食事するのはつまらなくてね。一緒に良いかな?もちろん食事代は僕が持つよ」
「そういうことなら、どうぞどうぞ♪」
「ありがとう。あ、僕はシオンって言うんだ。君は?」
「私はフィリアです。よろしくシオンさん」
「シオンで良いよ」
「はい、じゃあシオン。私のことは・・・好きに呼んでください」
「じゃあ、フィーって呼ばせてもらって良いかな?」
「ええ、良いですよ」
剣士シオンと剣士フィリアの運命の出会いであった。
そして、この出会いが、後に大いなる悲劇をもたらすことを、彼女たちはまだ知らない・・・

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あとがき
どうも、フィリアです。
私のお話がついにまとめられましたね〜
でも、なんか突貫工事で作ったみたいですね〜あははw
さて今回、シオンと私の出会いが語られていますが、何が起こったのか!
という点までは語られいません。
これはなぜかというと、本編側がそこまで進んでないからです(作ってないだけw)
なので、ここでネタ晴らしをしちゃいけない!ということで急遽ここで止めました。
なんとも珍妙な外伝になったけど、いかがでしたでしょうか?
ノリで作ったのでなんとも話がまとまってるような、そうでないような気はするけど
改めて読み直すとこれはこれで・・・という気がします。
外伝はいつもとちょっと違った感じで作ってみたのですが
読んでくださる皆さんにその辺の違いでにやりとしてもらえたら幸いですw
この続きは外伝第二話でお伝えする予定です(あくまで予定)
気長にお待ちください