仙舎

SD Review 1990 入選




PHASE A:[主題]
「建築は眼に見えるものをあらためて提示するのではない.見えないものを見えるようにするのだ」
ミニマルな形態の並置のみによる,メタレベルにおける多義的形象の獲得.
それは無意味な拡散(分割)を促進し続けるこの情報支配社会に対する叛旗であると同時に
「真実の追求」などという啓蒙的で盲目的な姿勢に対する批判でもある.

PHASE B:[伏線]
・構造と造形要素の符合による全体の〈オーナメント化〉
・要素の相互貫入による部位の〈意味の転倒〉
・スパイラル状のサーキュレーションが演出する〈迷宮性〉
・異レベル間の視線の交錯により生み出される〈舞台性〉
・明解な採光方法により性格づけられた各空間間の〈断絶〉
・光と影に満たされた中心の〈空白〉
・パースペクティプなアプローチと等ピッチの列柱の重層による〈ゆがみ〉
・軸線より振られた階段のシークエンスが強調する〈浮遊感〉
・列柱と階段の断片が暗示する〈時間の停止=廃墟〉
・廃墟に浮かぷ〈かげろう〉


(Dec 1990 h.taki)



back