8日目、最終日






ウィーンを離れる、この旅の実質的な最終日です。

ザルツブルク往復も考えたこの日、さすがに無理があるだろうとクリムト作品の観賞と
ぼくの要望で現代建築を見に行くこととなりました。後者についてはウィーン経済大学と
ガソメーターで悩みましたが、より今に近いプロジェクトの大学を選択。

結局この日も24時間フリーパスを購入し、パン屋に行こうとしたら日曜で休店。
仕方なく近くのマクドナルドに入りました。日本の朝マックとは違ったメニューでした。

早速メッセ=プラーター駅まで。降りると既に現代建築っぽい建物が。
そのまま歩いて行くと門もなく、新しいCampus MUが現れます。
が、なんだろう。ぐねぐねうねうね頑張っているのですが皆、小手先に見えて弱い。



CRABスタジオやエストゥディオ・カルメ・ピノス、阿部仁史はまさにそれだし、
ザハの建築はまるで東工大100年記念館であとは表層をいじくっているだけ。
BUSアーキテクチャーZTの作品がかろうじて魅力を放っていますが、
恐らくみんな地力はあるのだと思います。クライアントの問題な気がしてなりません。





日曜なためかなかにも入れず、やや気落ちして駅に向かいます。
Sバーンのウィーン・ミッテ駅にて空港行き列車のスケジュールを確認し、
そのままSバーンのレンヴェーグ駅からベルヴェデーレ宮殿上宮を目指しますがちょっと迷う。

上宮に入れたのは10時半過ぎとなりました。ホテルのチェックアウトが12時なので急ぎます。
2階部分が19世紀前半からウィーン世紀末の展示とのことなのでここだけ集中して回り、
クリムトの接吻とかここでしか見られないものもありましたが、あまり記憶には残らず。
あとで行ったレオポルト美術館の方がまとまっている感じはしました。



ここでいったんホテルに戻り、荷物をまとめてチェックアウト、と同時に
フロントに荷物を預かってもらいます。このあたりの依頼はとてもスムースにいきました。

昼食をとりにトラムでカフェ、ラントマンまで。ランチ前菜盛り合わせとグラーシュをシェア。
リキュールの入ったホイップクリームの乗ったコーヒーを飲みました。チップは2ユーロ。



再度同じトラムを逆走し、クヴァルティアー・ベルヴェデーレ駅まで。
今年末に開業するというウィーン中央駅を見に行きましたが、未だ工事真っ最中で
なかにも入れない。ホームの屋根はさっき見たようなうねうねぐねぐねでなんだかなあ。
これをやっている限り、ウィーンは自らの19世紀末の栄華を超えられない気がします。





最後はメトロでミュージアムクオーターまで。様々な美術館の複合体でメインは
白いレオポルト美術館とグレーのMUMOK。後者のほうがより現代寄りな展示。
今回の目的はクリムトだったので前者に入館します。

レオポルト美術館は屋内の中庭を抱えた方形平面で、地上4階地下2階と結構ボリュームあり。
また美術館としては異例な大きな開口が随所にあけられ、中庭や風景を望めます。
紫外線対策はガラスにフィルムを貼ることで解決されているのだろうか。





展示はまさにぎっしり。クリムトも多いですがエゴン・シーレの作品はさらに。
彼には10年ほどしか制作期間がなかったかと思いますが、ものすごい量とそしてセンス。
美術界においてもウィーンは未だに19世紀末の作家を超えられないでいるようです。

さて本当に時間がなくなってきたので、ホテルに戻り荷物を受け取って空港へ。
空港への列車は予定の一本前に乗れましたが、これがすごい混みようでまるで通勤電車。
日曜の夕方だったということもあるのでしょうか。空港には5時前に到着。

帰りはイスタンブールで2時間の乗り継ぎ。すんなり行くかと思いきや、
イスタンブール-成田便が空港の地上をぐるぐる回るばかりで一向に飛び立たない。
業を煮やしてふて寝しようとするも深くは眠れず、結局成田到着は1時間遅れとなりました。





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