O邸設計主旨




親子4人の家族のための住まいです。

敷地面積や容積率などの条件としては恵まれていましたが、
予算と南面に屹立する大きな隣接建物からの視線及び日影が課題となり
建物の配置とボリュームが探られました。

まず生活スケジュールの異なる息子さんの部屋を「離れ」とし、
単独のオブジェクトとすることで南面からの視線を制御しています。
1階は水回りとし、息子さんのための単独アプローチが設けられました。

その他のボリュームは採光を確保するため、できるかぎり北端に寄せられ
中庭型のL字型のプランとなり、その屈曲部をリビングの吹き抜けとして、
落ち着いていて、かつ視線の抜けが気持ちのよい場所をつくりました。

ご両親の寝室はリビングと離れをつなぐ回廊に面していて、
昼間は折戸を開放してひろがりを持たせ、
夜は閉じながらもトップライト、もしくはロフトの高窓から朝日のさし込む
気持ちのいい環境をつくりだしています。

リビングの棟の2階は緩やかな傾斜屋根となっていて、
内部建具でそれを干渉しないよう工夫し、伸びのある一体空間となっています。
娘さんの部屋はその最奥に位置し、縦長のスリット窓、ポツ窓、傾斜壁面など
遊び心のある仕掛けをちりばめました。

ご両親の寝室上部にある屋上デッキは、周囲の緑の多い環境ととけ込み
日差しにあふれたプライベートテラスとなっています。

(07/05/22 h.taki)



back