宇宙の旅展




*宇宙の旅展/水戸芸術館
 010506まで/月、0501休/9:30-18:30/800円

今、自分がやっていることに「パワーズ・オブ・テン」が
関連がありそうなので参考に見に行きました。
この企画全体には、あまり興味がなかったのですが、
いくつか他にもひかれるものがありました。

「パワーズ・オブ・テン」は、ヒューマンスケールの画像を基準に
極大あるいは極小まで縮尺を拡大、縮小していくというビデオ作品。
いわば宇宙から原子までのスケールの旅行です。
ミクロの方は、画像を見せられてもいまいちピンとこないのですが、
マクロの宇宙のほうは、自分の今いる空間が世界のすべてではなく、
それは全体のなかのほんの部分の偶然に過ぎない。
そんな、あたりまえでありながら大人になると忘れがちな視点を
リアルなイメージで感じさせるものでした。

マイケル・ライトの月面の写真やトーマス・ルフの星の写真も
画像がクリアなことからリアリティがあり、
上記と同様の感想を得ました。
それにしても30年近く前の人類が月面を歩いていたというのは
やはりすごいことです。
地球の重力という縛りから逃れた唯一の体験例。
それは新たな思考を生むものであると同時に、
とてつもない恐怖でもあったのではないでしょうか。

平野治朗のインスタレーションは「パワーズ・オブ・テン」の
空間の旅に対する時間の旅。
部屋の中央にある机のダイヤルを回すにつれて時間が前後し、
その時々の音や光が再現されます。
現在からさかのぼって100年で終わりかと思いきや、
次々と連続してビッグ・バンまで至るスケールはなかなか。
時間のはるかなる流れが、今現在という地点を相対化して見せます。

我々が認識している世界を新たな切り口で見せてくれる科学は
いまや美術や思想としての役割もはたしているようですね。


(01/04/14 h.taki)



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