光の館




*光の館/ジェームズ・タレル
 定員12名/施設利用料20000円+1人当り利用料3000円 食事別途
 チェックイン16:00 チェックアウト10:00(見学11:00-15:00)
 連絡先 ナカゴグリーンパーク 0257-68-4419

寺社建築のような骨太の木造の建物のなかに
鋭いエッジで矩型の空が切り取られた"outside in"と
水面近くに光ファイバーを仕込んだ光風呂"light bath"、
その他小さな作品が幾つかあります。

インテリアも和風で統一され、照明はほとんどが間接照明。
タレルは今回、谷崎潤一郎の「陰翳礼讚」にインスパイアされたらしく
照度はかなり暗めですが、いい感じです。
1階の浴室回りの壁は杉柾型枠のコンクリート打ち放し。
ガラスの洗面台のエッジを光ファイバーで照らすなど、
こちらは和風な中に現代的なセンスでまとめられています。

"outside in"は日没と日の出時に天窓を開放し
壁面上部のプログラムされた間接照明と空の色が
ともに徐々に変化しながらコントラストをなす、というもの。

私が行ったときは生憎の雨模様で天窓の開放ができず、
昼間に白い曇り空を見ることができただけでした。
印象は、曇り空はこんなに明るいのかという感じ。
雲が流れたり、虫が飛んだりすると空の抽象度が減り、
それが空であるという意識もあって、
美術館でのコントロールされた環境にある作品に比べると強度は落ちています。
雲の多い日本では不向きな作品かもしれません。

"light bath"は思ったより小ぶりで、浴槽は6畳間程度。
洗い場より直接切込まれた浴槽いっぱいに水が張られています。
この浴槽の縁と浴室出入口の縁に青緑の光ファイバーがあり、
浴槽につかると身体のその部分だけが青白く光ります。
その様子はあたかもホルマリン漬けのようで面白い。
が、それだけといえばそうかもしれません。

ここで一晩を過ごした感じでは、作品を体験するというよりも、
光あふれる都会にいて触れることの少ない闇や
ほのかな光というものに包まれて生活することのほうが興味深く、
作者の意図もある程度そこにあるのではないでしょうか。


(00/10/03 h.taki)



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