三宅一生展




見る前はファッションデザインの展示というものに
あまり積極的な意味を見い出せなかったのですが、
実際はインスタレーションと言ってもよいもので、案外見応えがありました。

*三宅一生展 Making Things/東京都現代美術館
000820まで/月休/10:00-18:00(-21:00金)/1100円

三宅氏の作品の特徴は形態から製作方法まで及ぶ
様々なアイデアと、その展開でしょう。
今回はそのアイデア展開をより増幅した形で
各室の展示が構成されていました。

三宅氏のようなアイデア先行形では作者の存在が透明になります。
氏の場合、「プリーツ素材」や「一枚の布」というモチーフ設定が
自律的にその後の展開を生み出しているようにも見えます。
もちろんそこにはあふれんばかりの創造力も見て取れますが、
イメージのような個人的な要素は極力排されているように感じました。

これは例えばマンガにおいて、最初に特徴ある主人公を設定すると
そのキャラクターが勝手に動いてくれて話が展開していく、
という話を聞いたことがありますが、それに近いかもしれません。
そんな作者の創造が内に閉じずに開いている感じが、
現代という時代において制作をするものとして共感しました。

あとファッションデザインというのは
建築と似ているところがあると感じました。
映画などもそうですが、常に機能を踏まえた上での創造になるという点で。
今回展示されている服はたぶんほとんどがコレクション用のもので、
建築で言えば架空プロジェクトの展示ということになるのでしょうか。

しかし機能性やコスト、慣習、常識などを度外視して
つきつめたアイデアはやはりインパクトがあります。
建築においては過去、アーキグラムやスーパースタジオといったグループが
様々な架空のプロジェクトを提示していた時期がありましたが
現在はそうした動きがほとんどなく、寂しい限りです。


(00/05/15 h.taki)



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