日本ゼロ年




*日本ゼロ年 水戸芸術館
 000123まで/月休,1227-0103休,0111休/9:30-18:30/800円

あまり好みの作家はいなかったのですが、結構楽しめました。
気に入った展示は成田亨、大竹伸朗、ヤノベケンジ、東松照明、飴屋法水。

・成田亨:我々の世代からすると涙ものの「怪獣」スケッチ。
 子供心に「ゼットン」「ブルトン(またこのネーミングが!)」
 「メトロン星人」等々のデザインはすばらしいものであると感じていました。
 現代美術の範疇にわざわざ入れることもないとは思いますが、
 もっと一般的に評価されていいものだと思います。
 野又穣の生物版みたいなかんじで?

・大竹伸朗:「宇和島駅」はいいですね。この前、代官山の
 野外アート展でも架空の地下鉄入口サインを作っている人がいましたが、
 こういう洒落は大好きです。なかの展示は相変わらずのジャンク風ですが、
 回転する看板は「スワロウテイル」のような近未来の廃虚を想起させ
 かっこよく、それがただ一本のギターをかき鳴らすためだけに存在する
 というところもナンセンスで気に入りました。

・ヤノベケンジ:カチャポンで東海村優待券当り(?)ました。
 とにかくこの人はセンスがいいし、どんどん制作していくパワーには感服します。
 また取り上げているテーマ「核(サバイバル)」も時期的、場所的にはまっていて
 インパクトがありました。逆にパロディになり切れなくなってしまう危惧も
 ありますが。もし東海村でアトム・カーを動かすようなことになったら、
 それはただの道具になってしまうでしょう。

・東松照明:ヤノベケンジの展示の後に見たせいかもしれませんが、
 海岸に電子部品でできた生物(?)を置いた写真は、
 どこか近未来の廃虚を思わせました。非現実的でとても美しかったです。

・飴屋法水:美術館と作家の契約という舞台裏を提示しています。
 社会構造に沿って行動する美術家の姿が、作家の生身を浮き彫りにし、
 観客の作家に対する幻想を払拭している点が興味深かったです。
 まあ、一回見ればいいものではありますが。また100問のアンケートは
 なんともステロタイプな発想しかしない自分を発見して面白かったです。

成田氏以外の展示は既にアートと呼ばれているものでしょう。
そういう意味で今回の企画で美術(アート)の枠組みを無化する、
拡幅する、再定義するということは特になされていないように思います。
ただ、今回の人選は美術(アート)の周縁部を作家の力量を含め、
バランスよくきれいに型取っている感じはします。
美術の枠組み、歴史などを、肯定否定含めて意識して制作している作家が
このなかにはおそらくひとりもいないだろう、という点でも面白いです。

(99/12/13 h.taki)



back