イリヤ・カバコフ展




*イリヤ・カバコフ展/シャルル・ローゼンタールの人生と創造
水戸芸術館/-991103/9:30-18:30/月休(1011開1012閉)/800円

なんとも壮大なパロディ。
そしてふんだんなアイロニー。

作品は展示室に合わせてわざわざ新たに作り出され、
あたかもシャルル・ローゼンタールが実在したかのように、
解説やキャプションまでが作りこまれています。

作品も含めて、それらを笑って見るうちに
普段美術館に行って、無意識にでもいろんなものを
ありがたがって見ていることに気付かされます。
時代性や新しさ、などもあまり意味のないようにも思えてきます。
もちろん作家性も。

ピラミッドの部屋の展示のばかばかしさは最高です。
もちろん肯定的な意味でのばかばかしさ。
日本人は概して真面目なので、このばかばかしさは貴重な気がします。

一方で作品のもつ力というかオーラのようなものは、
時代を越えて生き続けるものであることも実感します。
例えばマレーヴィッチなどの作品は今見てもいいです。
作家はそこをわかった上で、今回の展示を淡泊に仕上げているように感じます。

後年に簡単にパロディで複製できてしまうようなものをつくり
美術史のなかでひとつの事件としてしか記録されない、
現代の作家に見られるそんな姿勢は刹那的で魅力的な感じもしますが、
少し寂しい気もします。


(99/08/16 h.taki)




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