ART/DOMESTIC




*ART/DOMESTIC 時代の体温 Temperature of the Time
世田谷美術館/990322まで無休/10:00-18:00(-20:00土)/800円

チラシ等を見る限り、強烈さを売りにしたものが多そうだったので
どうしたものかと思っていましたが、出品点数が少なく
ゆとりをもって展示されていることもあり、悪くなかったです。

出展者は奈良美智、多田正美、東恩納裕一、田中敦子、大木裕之
根本敬、大竹伸朗の7人。
私は奈良氏と大竹氏の展示に魅力を感じました。

奈良氏の展示は、目の鋭い子供のドローイングのほかに、
それをそのまま3次元化したような人形や、
壁に直接絵が描かれた小部屋のインスタレーションなど。
かわいくもあり、暴力的で残酷でもあるそのアンビバレントなイメージは
氏がコラボレートしている吉本ばななの世界や、
現代の社会状況とシンクロしているように見えました。
特にインスタレーションからそういう感じを受けるのですが、
会場の方々に配された人形からは、そうしたイメージに加えて
静けさが漂い、今ある状況をただ提示することから一歩進んで、
その状況を少しでもよくしていこうという意思のようなものも感じました。

大竹氏は東南アジア風のステージの中で、ジャンク風な機械が
ギターやドラムなどをかき鳴らす、というインスタレーションを展示。
直感を頼りにしたような氏の作品は実はあまり好みではないのですが、
センスや創造力は卓越していますし、音とモノのパワーには圧倒されました。
あそこまでやられたら認めざるを得ないか、という感じです。
全体にティンゲリーを彷彿とさせますが、
比較すると、ごちゃごちゃしたあたりはやはりドメスティック。
まあ、それが狙いでもあるのでしょうが。

その他では、

東恩納氏の展示は花柄やレースなどモチーフは面白いのですが、
表現が今ひとつ弱いように感じました。

大木氏の展示はメイン(?)の自らの周辺を撮影したビデオより
畳と階段のインスタレーションの方がまったりしていてよかったです。

根本氏の展示はドヤ街の住民などマイノリティーの存在に
スポットを当てておりインパクトはありますが
「風俗紹介」にとどまり、次に繋がっていかないような感じを受けました。


(99/03/15 h.taki)




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