Donald Judd




*Donald Judd 1960-1991/埼玉県立近代美術館/北浦和駅西口歩3分
990322まで/月休0322は開館/10:00-17:30 -20:00金/840円

埼玉県立近代美術館に行くのは初めて。
美術館としてのポテンシャルはやや疑問ですが
外壁のおさえた色彩や公園に対する構え方、
グリッドで構成されたアプローチなどには好感を持ちました。
黒川紀章設計にしてはまあまあといった感じ。

ジャッドの作品をまとめて見るのもこれが初めて。
氏の作品の全貌はよくは知らないのですが、22点という
少なめな出展数は適切な感じがしました。

今回は初期の絵画作品も展示されており、
そこから彫刻へ移行していく過程を見ていくと、
氏の作品全体が絵画の追及の延長線上にあるようにも見えてきます。
ジョーンズやフォンタナと通底するような、いわゆる「モノ」としての絵画。
その枠や絵画全体、もしくは画材がボリュームとして引き伸ばされ
前面に迫り出してくる、というような、
そういう見方が自分では気に入りました。

一方、晩年の作品では形態操作に一定の法則を持ち込み
恣意性を消し去ろうとしている意図が読みとれます。
ある部分のボリュームを欠きとって、それを他の部分に移動したり
等ピッチに配されたボリュームを違うピッチの枠で囲いこむとか。
これは建築の世界でも取り入れられている手法で
互いに影響しあっていたところがあるのかもしれません。

建築の影響という点で言うと、
一部の作品に用いられている「陽極処理されているアルミニウム」は
インテリアデザイナーの倉俣史朗氏も多用していた素材です。
どちらが先に採用したかはわかりませんが

建築のプロジェクトもあったらしいです。
氏の死で頓挫したらしく残念ですが、しかし模型をちらりと
見ただけの感想からすると、まあ別にいいか、という感じではありました。

もうひとつ、氏の作品から感じるもので面白く感じるのは「動き」で
有名な「スタック」と呼ばれる作品はエレベータか垂直コンベアの
連続写真のようにも見えますし、壁面に設置された横長の作品は
駅を通過する列車のようなムーブメントが想起されます。

気になったのは木を使った作品で、板の小口をそのまま露出している点で
意図的にやっているようにも見えないので
案外細かいところには無頓着な人なのか、と感じました。
それで作品の質が落ちているわけではないので、構わないのですが、
ちょっと意外でした。

全体としてはいい展示だったように思います。
特に「横長の作品」は美しく宝石のようで、欲しくなりました。


(99/02/12 h.taki)




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