デザインビルド?




耳慣れなかったこの言葉、要は建築の設計施工一括発注のことを指しているようです。
工事迅速化が目的で、2020年の東京五輪の建築に採用されてきているらしい。

ちょっと待って。公共事業は設計施工分離発注が基本ではなかったか。
伊東さんのせんだいメディアテークでの批判に対する反論記事でもそう書かれていたはず。

まず入札が行われないなら競争原理が働かず、価格が高くなる傾向になる。
設計施工一括となるとまともな図面を引かない可能性も出てくる。
つまりきちんと部材や労務費を拾うことなく、どんぶり勘定になるのではないか。

検索すると、どうも10年ほど前に新たな法律が制定されたらしい。
こんなことになるまでJIAなどの建築家団体は一体何をしていたのか。
民間工事の現状を見るなら、この法律の流れは日本の設計事務所の緩やかな死を示唆する。

設計施工一括発注のメリットは工期短縮以外に手軽だという点が大きい。
今までは発注者としてある程度の役割や責任がありましたが、それから解放される。
今や殆どのゼネコンが設計部を抱えているので、民間工事でのゼネコン一括発注は多い。

これは住宅産業でのハウスメーカーの市場独占を見るとわかりやすいです。
一般に施主は、見積内容が曖昧で若干高くとも、また設計の自由度が低くても、
皆と同程度のグレードを確約してくれるなら、手間のかからないハウスメーカーに一括発注する。

そこには志がない。社会や文化に対する思考もない。ただみんなと同じであればいい。
しかし公共の建物までそうなってしまうと、日本の建築文化に未来はありません。


(15/07/20 h.taki)



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