空間の接続部




メルボルンのイアン・ポッターセンターを見ながら思ったのですが、
建築の空間はその接続部が肝心で、それを疎かにすると全体の印象が随分悪くなる。

具体的には階段、廊下の類で、イアン・ポッターセンターでは、
展示スペース−ラウンジ−階段が途切れることなくスムースに一体化していて、
階段の踊場にも展示があり、それに違和感はありませんでした。

逆に下手な例を挙げると、東京都現代美術館。上の展示室に向かうのに
エスカレータを用いていますが、これが狭っ苦しい何の工夫もないもので幻滅します。

同じ設計者による初台のオペラシティギャラリーでは、帰路がいかにも
裏という感じのL字型通路。同様の手抜きは用賀の世田谷美術館にも見られます。

横浜の大さん橋国際旅客ターミナルでは3次元的な空間の展開が期待されましたが
できたのは普通のスロープでした。これも中央のホールと切れていて魅力がない。

もともとスロープというのは豊かな空間体験を生む装置なはずでした。
サヴォア邸しかり、群馬県立近代美術館しかり。それがなぜこうなる?

階段や廊下単体であっても工夫次第では魅力的な空間に変身します。
この主客を反転させたような手法は安藤忠雄さんの真骨頂です。

ただ、建築の王道はこの接続部をつくらない、またはそう見せないことのようです。
極端にはこの接続部を外部とする例も見られます。山本理顕さんの岡山の住宅とか。
良い建築ほどこの接続部をうまく活かしているようにも思います。


(14/01/25 h.taki)



back