CGとか




クリスチャン・ケレツの作品集を購入して眺めていたのですが、
完成したものとプロジェクトに終わったものの中間のグレーゾーン、
設計または施工途中なのか、プロジェクトが止まってしまったのか、
あるいは完成しているのかよくわからないものが幾つか見られました。
これはこの作家に限ったことではなく、CGの発達した現代に共通した現象なのかもしれません。

あたかも本当に建っているように写真と合成ができるようになり、
逆に現物もCGに近づけるように設計するという流れもあるように思います。

すると、本当に建てるということの意義が根本から揺るがされてしまいます。
もちろんその建築を理解するには実体験することがいちばんだし不可欠だということは
ケレツも作品集の末文で言及しています。

しかしある作品を評価する建築家、学生、編集者のうち、その実物を体験しているのは
全世界規模で見れば1%にも満たないでしょう。
ほとんどのひとは限られた画像と図面から実物を想像しているに過ぎない。

すると建てるための様々な厄介事を避けて、CGのみ発表する建築家が出てきてもおかしくありません。
実際Victor Enrichみたいな作家も出てきているし。
もちろん稼ぎにはならないので、そこは教職などに就いて凌ぐ。


(13/08/29 h.taki)



back