ポロックと松本竣介




昨年末に世田谷美術館で見た松本竣介展。

作風が次々と変わり、決定的なものを生み出すもまた変えてしまい
確固たる評価を得られぬまま、早々と生涯を終えてしまうという点が
ジャクソン・ポロックと似ているなと思いましたが、
調べてみるとこの2人は生年が同じ1912年でした。

ここらの年代はいわゆる近代美術と現代美術の狭間に当るのかもしれません。
フォービズム、キュビズム、シュルレアリズムと表現としての近代絵画は多様化し、
先鋭化することで行き詰まってしまいます。

それを打破したものは熱い情熱ではなく冷めた分析たる現代絵画でした。
ジャスパー・ジョーンズのように既存のイメージを描いたり、
アンディ・ウォーホルのように絵画を大量生産したりして、理論的に新しい美術をつくった。

ポロックは現代美術へのブレイクスルーは決めましたが、冷徹にはなれなかった。
松本はシュルレアリズムの後継者としては評価できますが、そこまででしょう。
ふたりとも自らの業績には満足できずに亡くなったのではないか。

ほぼ同世代の岡本太郎のように、俺は近代でいいんだ!と開き直った方が、
案外幸せだったのかもしれません。

(13/01/15 h.taki)



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