良い敷地




よい敷地を判断するのはなかなか難しかったりします。

ぼくが最初に設計を手がけたs邸は、北側、東側が大企業の所有地で、
緑多き隣地は借景として絶好のものでしたが、その後売却され、
敷地境界ぎりぎりにまで、中層集合住宅が建ってしまいました。
隣地への配慮を全く欠いたそれは、s邸のプライバシーを浸食するものでした。

先日見に行った下作延Kも絶景ではありますが北向きです。
ぼくが自邸の工事の間、借りていたアパートが北東の角部屋でしたが、いや寒い寒い。
カビも生えて、陽が直接当らないというのはこういうことかと実感しました。
下作延Kはもうひとつ、崖下に鉄道が走っていて騒音も気になるところでしょう。

公園に向いた敷地というのも魅力的なようでやはり難もあります。
近所に坂茂さんのよる羽根木公園の家というのがあり、
公園の緑に向かって大々的に開いているのですが、たぶん全面開放できる窓は開けないかな。
というのも目の前が児童遊園になっていてうるさいのです。
公園の土ぼこりも気になるところでしょう。

土地に掘り出しものはないという話があります。
あらゆる条件を重視したらおそらくそうなのでしょう。
幾つかの難を受け入れて、初めてそれは魅力的な敷地にかわります。


(12/10/18 h.taki)



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