歴史の天使




*歴史の天使/ワタリウム美術館
 121111まで/月休/11:00-19:00(-21:00水)/1000円

多木浩二氏が生前に書き下ろした写真論をもとにした企画。
12人の作家の写真作品が展示されています。
既に没した作家の、モノクロ作品が多い。

単純に好きなラインナップでした。
何かを読み取らなければならない気になるコンテンポラリーな作品は疲れます。

ダイアン・アーバスは期待通り。
ルネ・マグリットの写真は初めて見ましたが、絵画のような明白なトリックはない。
ジョエル=ピーター・ウィトキンのイコンを思わせる作品は初見でしたが、
他の作品も見たくなりました。
ロバート・メイプルソープはおとなしめのセレクト。
クリスチャン・ボルタンスキーの作品は昔、地下への吹き抜けに展示されていたものでしょうか。
好きです。リヒターとの関係は気になるところ。
ロバート・フランクはただただ流石という感じです。

テキストの併記された作品はブックレットになった方が見易いですね。
チン↑ポムを選んだのはどういう意図があったのだろうか。

on sundaysには発売となったワタリウム美術館の本が並んでいました。
この建物が竣工したのは1990年。バブル建築と言っていいでしょう。
都心の一等地に収益性の薄い個人美術館を、それも海外建築家に依頼して建てる
というのはあの時代ならではのものでしょう。
今までよく経営が続けられてきたなと思います。

建物そのものは竣工当時、既にアナクロなイメージなものになっていましたが、
ここには東京には数少ない、まぎれもない「空間」があります。
あの狭小敷地であれだけ豊かな空間をつくるというのはさすがボッタです。
塔の家の美術館版と言ってもいいかもしれません。

(12/09/12 h.taki)



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