趨光




「趨光(すうこう)」
97/9/13〜10/12  9:00〜16:00
大谷資料館  栃木県宇都宮市大谷町909
出展者:逢坂卓郎、作間敏宏、八柳尚樹、山村俊雄、吉江庄蔵、

よかったです。
展示と展示空間がいい方向に相乗効果をあげているようで。
空間はとにかく高く大きくて、暗く、大規模な石造教会建築が少ない日本では、
なかなか体験できない雰囲気があると思います。
ここでは10年ほど前にやまもと寛斎のファッションショーが開かれていて、
いつか行ってみようと思っていたのですが、
街中で地面の陥没事故が続発していると聞いて、二の足を踏んでいました。

展示では作間敏宏の壁面に幾つも表札をランダムに張り付け、
ひとつひとつを白熱灯で照らしたものと、
吉江庄蔵の白い樹脂や金属でできた人間の抜け殻が奇麗でした。

ただ、作間さんは昨年、代官山同潤会アパート展で、
布団などを敷いたままの真っ暗にした和室で、
やはり無数の白熱灯のインスタレーションをされた方だと思いますが、
今回のは形式がもろボルタンスキーで、オリジナリティという点ではいまいち。
同様に吉江さんの展示もアバカノヴィッツとの類似が見られます。
欲を言えばともにもうちょい、独自色が欲しかった。

この展覧会はアーティストによる展示のほかに、
主に学生による様々な照明が試みられていました。
なかにはとても美しく、アートといってもいいようなものも幾つかありましたが、
いかんせん、すべての照明を「デザイン」しているもので、少しうるさい。
足元を照らしたり、空間の魅力を引き出したりする機能に撤する照明と、
見せる照明を明確に分けたほうがよかったと思うのですが、
学生にそこまで期待するのは酷なのかなあ。

大谷ではこの資料館と同様、採掘場を利用した新たな地下展示空間を、
最近、安藤忠雄がプロジェクトで発表していたように思います。
これも期待できそうですね。



(97/10/12 h.taki)




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