震災と2011年




今年一年を表す言葉は絆だそうです。

やはり2011年と東日本大震災は切っても切れないものだと思います。
逆に震災を今年という年で区切ってしまうのはよくない。
東日本大震災は東京の空襲や阪神淡路大震災と違って、
ストレートに復興できる性質のものではないからです。

今回の震災で被害を大きくしたのは津波と原発です。

その大きな地震エネルギーは堤防を破壊し、平地に地盤沈下を起こしました。
今同じところに家を再建しても同規模なもしくはより小規模な津波が起きても
建物はさらわれてしまうでしょう。まずはより強固な堤防の再建が必要です。

その上で、とっさの避難のできない高齢者などは高地移転が求められます。
しかし、仮設住宅でさえ困難だった敷地選定に加え、
坂道が高齢者の日常の移動を困難にするという問題もあります。

原発についてはもう既に10年単位の問題であることが明らかになっています。
これについてはぼくは意識的に気にかけないようにしています。
事故当初にもたらされた情報からは絶望的な状況しか読み取れなかったからです。
素人考えで解決できるような問題ではない。東電の現場員を信ずる他ありません。

そして震災はぼくに心理的変化ももたらしました。
津波で原発でどうにかしようにもどうにもならない人を多く知りました。
地震は2万人近くの命を奪った上、その何倍ものひとの時間を停めてしまった。

ぼくの心も停まりました。そしてあらためて仕事のことについて考えました。
ずるずると引きずられながら仕事にしがみついていましたが、手を離しました。
人と比べない、勝ち負けを意識しない自分なりの建築への関わりを模索しています。

(11/12/13 h.taki)



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