こもる




ぼくは基本的にこもるのが好きな人間で、ここまで生きてきてそれがかわらないというのは、
おそらく脳の性質が既にそうできてしまっているのでしょう。

自宅を建てる際に、事務所をオープンにするかクローズドにするか選択肢はあり、
前者の方が営業的には有利だとわかってはいたのですが、ためらわず後者を選びました。
そして基本的に他人と共同はしない。昔からそうなのです。

子どもの頃から記憶を辿って、明らかにほめられた、認められたという場は、
中学の頃の小さな進学塾と、大学の設計製図の講義でした。
塾では講師が問題を出して一定時間に各自が解いて、その後解答の説明があるというものでしたが、
説明なんて聴いちゃおらず、時間内に問題が解けない場合は講義の時間でも延々解き続けていました。
で、最終的に結果が合っていればOK。そんな態度でも成績はトップクラスでした。
しかし、授業態度など教師の主観も反映される中学の成績は惨憺たるもので、
塾で勧められた公立の進学校は受けさせてもらえなかったほどです。

基本的に、ひとの話を聞く、それも大人数で講義という形になるほど苦手です。
これはいまだにそうで、頭が一般的な「教育」に向いていないのだと思います。

大学の設計製図もこもってマイペースでやれたのが良かったのだと思います。
スキルや知識は建築雑誌を読んだり、実物を捜しに見に行ったりして独学しました。
そんなだったので大学4年次はほとんど大学に行かなかったと思います。
1年間の独学。大学院に進まなかったのはそれがあと2年続いても伸びないと思ったからです。
と同時に、やはり講義が苦手だったせいで他の科目の成績が悪く、
大学院に進める3人枠に入らないだろうという判断もありました。

卒業設計は学部の後輩に手伝ってもらうというのが一般的でしたが、
ぼくはすべてひとりで作業しました。
研究室に顔を出さなかったのでつてがなかったというのもありましたが、
自分のやっていることは特殊解でわかりにくいからという認識もありました。

最終的に生業となった、住宅など小規模建築設計の自営業というものは
結果的にぼくの頭の性質に向いていたと思います。
趣味の自転車もおそらくそうでしょう。ひとりでマイペースという点では同じです。

(11/05/05 h.taki)



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