CMについて




竹下景子の出ている住宅メーカーのCMで
「気が付いたらわが家の生活動線はめちゃくちゃでした」
みたいなことをいうものがあり、今でもたまに流れているようです。

で、見る度に違和感を感じるのですが、どうでしょう?

あまり詳しくは覚えていないですが、回遊動線の提案のようでした。
回遊動線はたしかにあれば便利ですが、都心や近郊の住宅では
概して敷地面積が狭くて法規は厳しく、それでいて要求される部屋数は多くて
なかなかパズルを解くのが大変だったりして、
例えばキッチンから洗面所、もしくは廊下に繋がるルートを確保するのを
最優先するのはなかなか難しいのが実情です。
ルートを多く設ければそれだけ扉が多くなり、その前にはものが置けませんし。

あのCMでは回遊動線がないと、ときに人がぶつかったりして
大変不便であるかのように描かれています。
風呂上がりのお父さんや、コーヒーを持ったお母さんや子供らが
擦れ違おうとしてぶつかって、コーヒーカップが落ちて割れたりしている。
しかし例え回遊動線が設けられていないとして、一家4人がこんな形で
一箇所ではち合わせるなど、何十年に1回の出来事でしょう。
なんとも大げさです。
だいたい道を譲り合えば済む話ですし。

こういうむやみに不安をかきたてるような宣伝はどうにかならないものでしょうか。
住宅のCMではないですが、菌やダニをCGで表現しているものも同じだと思います。
あれがなければ今の行きすぎた「抗菌」ブームもなかったでしょう。

さらに穿った見方をすれば、最近ニュースでよく取り上げられる
欠陥住宅についても、結果として建て売りバッシングのようになっており
その分のクライアントが住宅メーカーに流れているだろうことを考えると
やはり消費者の不安をあおって、低迷している住宅産業を
なんとか盛り上げようとしている意図が見えなくもありません。
本当に純粋に欠陥を問題視しているのであれば、
第三者による工事監理という解決策が提示されるはずだと思います。

まあ、CMの件で言えば、住宅に限った話ではないですが。
NECやIBMのコンピュータのCMも、こちらは無理やり消費者の欲望を
かきたてているようで、害はないですが、なんだかなあ。

CMは欲望を喚起するためにある、と言ってしまえばそれまでですけれど。



(98/05/27 h.taki)




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