野性




昨晩、玄関の前で小さめなカエル2匹を発見しました。
雨になると道路に飛び出して車にひかれた姿は何度も見ていて
存在は知っていたのですが、こんな住宅地で何食べて生きているのだろう。

今の自宅の敷地には母方の祖父母が住んでいた築60年の洋館が建っていて
自分はしばらくそこの留守番をしていたのですが、庭師とかいれるお金もなく
庭は雑草のジャングル状態で春から秋は人が入り込めないほどでした。

ある年、どうやらそこに猫が住み着いたらしく、庭の手前のたたきで
親子4匹がたわむれている姿などを見かけたりしていました。
あとから思うにあれは親猫が子猫を自分に託すパフォーマンスだったのではないか。

それからしばらくした雨の日にかすれるような猫の鳴き声が聞こえ、
見に行ってみると子猫が倒れていて、目にハエがたかっていました。
どうしたらよいかわからず、人間用の抗生剤を溶かして飲まそうとするも
やはり無理で、仕方なく上に傘だけさしておきました。
翌日にはもう息絶えていました。ふと庭の奥に目をやるともう1匹も死んでいました。
おそらく乳離れしたあと、餌をとることができず餓死したのでしょう。

翌年も子猫は現れました。今度は3匹。
前年の申し訳ない気持ちがあったので、今度は餌をあげることにしました。
牛乳に砂糖と卵黄をまぜて溶かしたもの。
警戒心は持ちつつも元気な2匹は積極的に食べるものの、
身体が弱そうなもう1匹は怖がってなかなか食べに来ない。
その隙に親猫が横取りしたりしていて、追い払ったりしたのですが。

しばらくして近所の塀に、猫に餌をやらないでくださいという張り紙を発見。
迷惑している人もいるのだなと思ったのと、だいぶ長いこと餌をあげていたので
少しずつ減らしてやめることにしたら、猫も現れなくなりました。
あの元気な2匹は生き残ったかもしれない。でも弱った1匹はたぶんだめだ。
野性の環境は過酷で、臆病だと生き残れない。身体が悪いなんて言い訳も通用しない。

自分はどちらかというと弱者に共感する方なので、なんだか腹がたちました。
人間はいろんな種類の遺伝子がミックスすることによって、
その時々の環境に対応できる子孫を少しでも残そうとするらしいですが、
少なくとも野性の猫の世界は「ずる賢いやつが生き残る」です。

人間に生まれてよかったのかな。

(06/10/19 h.taki)



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