光の使い方




長野オリンピックの開会式を見ていて、残念に思ったことが幾つかありました。
例えば日本、日本人を主体とした人選とか演出が結果的に成功していないとか、
細かく見るといろいろとあるのですが、大きく見ると最後の第九で
聴覚的演出が成功をおさめたのに対して、視覚的演出は空間の作り方を含めて
ことごとく失敗していたように思いました。
ここは建築のMLなので建築に限って言いますと、会場の空間の、具体的には光の
めりはりがまるでなく、全体に白けたようになってしまったのがよくない。
例えば客席に膜のようなもので屋根をかけてフィールドと差別化させるか、
もっと簡単に夜に開会式をやってスポットライトで演出する方が
よかったように思います。聖火もその方が映えるし。
アトランタはそうしてなかったかなあ。

光のめりはりや色のコントロールによって空間はまるで違って見えてきます。
特に夜。日本では蛍光灯で高い照度で均一に照らすのが一般的ですが、
西欧では白熱灯で部分的に照明するのが主です。
蛍光灯が悪いということはなく、例えばSF的な機械的なイメージを
演出するにはあの白い光のほうが適しているように思いますし、
コンビニが暗かったら夜中は怖いと思います。
しかし、やはり落ち着いた雰囲気を作るという点では白熱灯に軍配が上がります。
私は最近、ホテルを利用するとき、客室内の主照明が蛍光灯だと
がっくりとくるので、その際は枕もとのスタンドだけを付けるようにしています。
暗くて本を読むのも辛い場合もありますが、白けた時間を過ごすよりはましです。

マンションの場合、あらかじめ部屋の中央に
吊り下げ照明用のアダプターが付いていることが多く、
これは部屋を均質に照らすことを考えてそうなっています。
これを使わない場合はスタンド照明等をコンセントにつないで使うことになりますが、
最近は電気を使う家電が多く、コンセントの余裕がないこともあります。

戸建て住宅ならば、建て売りでなければここは調整することができます。
例えばLDではダイニングテーブルの真上に傘の付いた白熱灯色の吊り下げ照明を、
リビングに相当する部分はスタンドのスポットライトか壁付けの照明で
壁面をなめるように照らし、間接照明とする、など。
あらかじめイメージができていればそれに応じてアダプターやコンセントが
用意できますので、これから住宅を計画される方は考えてみてはどうでしょう。
もちろん今住んでいる部屋でも工夫はできると思いますので、
それ以外の方もいろいろと試してみてはいかがでしょうか。



(98/02/07 h.taki)




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