わがスーパースターたちのいえ




少し前の話題になりますが、上目黒の前田、飯島直子夫妻の新居が
ワイドショーなどで報道されていました。
あれだけ報道されてそれでも本当にあそこに住むのかは疑問ですが、
芸能人の家というのはそういうものなのかもしれません。
つまりそれはイメージ戦略の一部であるということで、
ファンの期待を裏切らない、日本人にとっての素敵な生活を
納得できる形で実体化したのがあの住宅だと言えるのではないでしょうか。

芸能人の人気というのは社会の(メディアの?)多数決で決まります。
よって、そこで日本人の「平均的」な好みが分かります。
それはその芸能人の住まいについても同様です。
だから芸能人の住まいはどれも似たり寄ったりなものになっている
のかもしれませんが。

高い人気を誇る前田、飯島夫妻の住む家は、一般的な住宅に対する夢の形なのでしょう。
そこからは住まいの価値における建物そのもののランクの低さも見えてきます。

まず、立地。
次に規模、大きさ。
そして素材。
あとは、なし。

取ってつけたような煉瓦タイルや装飾窓を見ていると悲しくなってきます。
さらに驚くことにあの住宅は建売りだそうです。
それを考えると、壁の中味に関してもやはり今だに感心は薄いのでしょう。

日本人の建築家で今や世界的に評価されている人で安藤忠雄という人がいます。
コンクリート打ち放しの建物を作る人で、居住環境は必ずしもよいとは言えず、
それゆえ住む人を選ぶ建物だとは思いますが、
個人的にはそのクオリティーは高く評価しています。
彼の手がけた住宅の代表作のひとつとして「小篠邸」というものがあります。
ファッションデザイナーのコシノヒロコの家ですが、建てられたのは1981年です。
デザイナーは先鋭的な感性を持っているので、社会の流れより先行するのは当然ですが
しかしそれから17年たった今でも、そうした高いクオリティーの住宅が建つ機会は
相変わらず低く、一般建築はともかく
住宅において、そのクオリティーの差は一向に縮まっていません。

クオリティーという言葉には主観が入っているので分かりづらいかもしれませんが。

これはどうしたものでしょう。
日本人には「住む」「生活する」ことに対して個人個人が
問い直す習慣がないせいでしょうか。
住環境というものに保守的なのは
画一的なメディアの影響もあるのか…。



(98/01/19 h.taki)




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