住宅に関する報道




最近TVのニュースなどで欠陥住宅やシックハウスの特集などがよく組まれています。
そこで不思議に思うのは、特に欠陥住宅についてなのですが、問題となっているのが
建て売り住宅やメーカーハウスであるせいでもあるのでしょうが、
建築士による工事の監理という解決策が、ほとんどの場合取り上げられないことです。
それだけこの国で建築士というものの職能が知られていないということなのだ
と思われますが、一方で欠陥住宅を検査する人達は取り上げられているようです。

私は欠陥住宅の検査については詳しくはないのですが、
内外装をいじらないでの検査というのは自ずと限界があるように思います。
床下は人が這って進めるだけの高さがなければ剥がした部分しか確認できませんし、
天井裏も同様です。壁に至っては壊さないでの確認は不可能ですので、
図面のみのチェックにならざるを得ないでしょう。
結局どの住宅でも壊さずに確認できるのは壁、床、開口部の水平垂直や
壁面のクラックや雨漏りの有無、地盤の不同沈下の程度ぐらいなのでしょう。
仮に欠陥部分が特定できたところで、修復が不可能な場合もあります。

そうなると、なにより工事段階で欠陥を発生させないことが重要なことだとわかります。
そして、こうしたことをチェックするのが実は建築士なのです。
通常、建築士は設計を請け負うと、施主と「設計監理契約」を結びますが、
この「監理」がその業務にあたります。
設計報酬や現場との距離にもよりますが、住宅であれば週に一度は
現場に行って工事の内容や工程を確認します。
手間のかからない建て売り住宅やメーカーハウスに行くのもわからなくはないですが、
せっかくこうした職能の人達がいるのですから、
設計、施工の分離発注を選択肢のひとつにあげてみてもいいのではないでしょうか。

もうひとつ不思議なのは、これだけシックハウスが取り上げられているにもかかわらず、
高気密の仕様がもてはやされているということです。
たしかに高断熱であればエネルギー消費は少なくて済み(全館空調の場合ですが)
二酸化炭素の排出量も減るでしょう。
しかしシックハウスの原因のひとつが高気密であることも明白です。
例えホルムアルデヒドを使用した建材の住宅でも、竣工時に十分な換気をして、
その後も従来、日本人がしてきた程度の換気をしていれば、問題は起こらないようです。
現にホルムアルデヒドを使用した建材は昔から使用されていましたから、
変わったのは換気に対する考え方なのでしょう。
全館空調は確かに快適ですし、お年寄りにはいいことですが、
若い人達に対しては温度差に対する耐性を弱めかねません。
そして季節に対する感受性なども弱めてしまうかもしれません。

住宅を建てるときには単にブームになっていることを取り入れるのではなく、
こうした換気に対する考えなども含め、自分にとって何が一番大切なのかを
確認する作業が必要となるのではないでしょうか。



(97/12/24 h.taki)




back