神奈川県立近代美術館 葉山




日本の美術館というものは、なぜこんなにもロケーションに無頓着なのでしょう?

欧州では街の中心部を表す地図に、必ずと言っていいほど主な美術館が含まれています。
一方日本の関東を例にとると、まともなのは国立西洋美術館と森美術館くらいで、
群馬県立近代美術館は車で来いと言われているようなものだし、
千葉市立美術館、横浜美術館、東京都現代美術館、あと東京国立近代美術館あたりも
街のはずれにあったり、アクセスがよくなかったりしています。
区立の美術館も概して行きづらいところにありますね。

神奈川県立美術館はなぜ鎌倉なのか疑問はありますが、ロケーションとしては悪くないと思います。

昨年末に訪れたとき、葉山に別館ができたことを知り、一度行ってみたいと思ってました。
なので今回は特に展示に興味が引かれたのではなく、たまたま鎌倉に行く用事があったので、
ついでに見に行ったというかんじでした。

しかし葉山があんなにアクセスが悪いところだとは記憶していませんでした。
横須賀線で鎌倉の次の逗子で降りて、バスにゆられて細い道を延々20分。
やっとたどりついた美術館は現代風でありながら破綻のない押さえたデザインで、
こじんまりしていて、展示は企画展示のみで1階だけで完結しており、
展示室も大きさ高さ照明など問題なく設定されていますが、逆に面白みはありません。
アプローチもわかりづらく裏口みたいで、期待をいだかせるものではありませんでした。
休日なのに客はほとんどいなくてなかはがらんとしていました。

今の展示は以下のとおり。
*西雅秋展/神奈川県立近代美術館 葉山
 051218まで/9:30-17:00/月休/800円

「もの派」の人なのかしら。
錆びた鉄やブロンズのオブジェ、地場の木造船を型取ったコンクリート。
なんで今さら、と思いました。
世の中そんな単純じゃないって、みんなもうわかっているのに。

そんなかんじだったので10分で見終わってしまいました。
カフェもショップもとても小さくて興味を引かず、20分ほどの滞在で帰途につきました。
環境自体は悪くなく、海に面していて魅力的で、中庭をとったりしてその環境を取り込もうと
している意図はわかるのですが、それがうまくいっていない。
どうせならルイス・カーンのソーク研究所のように海に向かってバーンと開いてしまえばいいのに。

まあ建物に関してはいろいろあるのですが、それよりなによりあの立地。
税金の無駄遣いでしょう。
神奈川県民であそこまで足を延ばそうとする人はほとんどいないのではないでしょうか。
鎌倉の本館を建てかえればいいのに。
坂倉研究所の名作とは言われているようですが、全然時代について行けていない。
残す意味はあまりないと思いますが。


(05/12/12 h.taki)



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