アール・デコ展




*アール・デコ展/東京都美術館
 050626まで/9:00-17:00/月休/1400円

20世紀初頭の新たなデザインをイメージするような、幾何学的装飾を用いた、
絵画、彫刻、建築、インテリア、ジュエリー、服飾などの芸術ムーブメントの展示。
本展では1910年-1939年とされていますが、1925年のパリ万国装飾芸術博がピークで
19世紀末のアール・ヌーボーとモダニズムの狭間で開いた一瞬の華です。
一方で、1960年代のポップ・アートの先達という見方もできるかもしれません。

アール・デコ様式として著名な建築では、東京目黒の庭園美術館や
ニューヨークの摩天楼などがあげられるでしょうが、建築史的には意外と重要視されておらず、
ほぼ時代の重なるデ・スティル、ロシア構成主義、イタリア未来派や
F.Lライトなどのほうに評価が集中しています。
しかし、レム・コールハースによる論文「デリリアス・ニューヨーク」を待つまでもなく、
NYのクライスラー・ビルやマグロウヒル・ビルの完成度は高く、
現代においても十分刺激的なものなので、再評価されていいでしょう。

モノとしてはいい作品を世に出しているにもかかわらず、スポットを浴びなかったのは
それが美的、感覚的なもので、何らかの論理的な宣言にまで達しなかった、
そういう人物に恵まれなかったせいかもしれません。
造形の参照元もまちまちで、節操がなく、括りが緩い。

これは後の「ポスト・モダン」と似ているところがあるかもしれません。
今はポスト・モダンという言葉を口にするのはなかなか恥ずかしいですが
いずれデザイン史のなかで、こちらもきちんと位置付けられるのでしょうね。


(05/05/16 h.taki)



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