タピエス




*タピエス-スペインの巨人/原美術館
 050529まで/11:00-17:00(-20:00水)/月休/1000円

久々に見る、難解な作品。
世界的に評価されているという知識がなければ、無視してしまいそうな展示です。
「アンフォルメル」という動きのなかで位置付けられるようですが、
「ネオ・ダダ」や「アルテ・ポーヴェラ」に近い印象を受けました。

大きなカンバスに十字形や意味をもたなそうな文字がなぐり書かれていたり、
身の回りにありそうな糸くず、砂利、枯れ草などが張り付けられていたり、
表題と作品の内容がイコールで無意味だったり。

貧困な素材を使うのは、従来の美の特権的位置に対するアンチテーゼなのでしょう。
(美的にも)無意味であるのは、絵画を「もの」にまでそぎ落とす試みであり、
従来の絵画では用いれらない素材のコラージュは、
絵画-彫塑の境を取り払おうとする意図に見えます。

上記のように考えることはできますが、とにかく感じるものはほとんどない。
突き放され、コミュニケーションの断絶がそこにはあります。
これは歴史的に見れば意味があるのかもしれませんが、ものとしてはどうなのか。
その存在価値があるのかどうかは、自分には判断できませんでした。

氏の作品に頻出する等辺の十字形は、なにか意味があるのでしょうか。
主にユダヤ系の作家が用いることの多いモティーフのようですが、
「感じる」ことのない作品のなかで、円とともに神秘的メタファがあるような感触がありました。

原美術館はおよそ1年ぶりに訪れましたが、まえにアラーキーの写真が貼ってあって
しばらく封鎖されていたスペースに、奈良美智のインスタレーションが設けられていました。
今書店に置いてある氏の作品集の表紙にある作品で、三角屋根の部屋に作業机があり
壁に氏のスケッチなどが無造作に張り付けられていたりしています。
窓から見える緑とともに「少女」のアトリエのような雰囲気が魅力的でした。


(05/05/08 h.taki)



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