せんだいメディアテーク




建築は写真と実物の印象が異なる場合が多く、写真による「幻想」を確認、もしくは打破するために、
遠方まで足を延ばすことが多いのですが、今回は仙台、今さらながらメディアテークです。

2、3年前に開館したと記憶していますが、なかなか行く機会に恵まれず、
ようやくの初対面する複合文化施設ですが、まず立地。
ひとの交通量の多い範囲から微妙にずれていて、「気軽にたち寄る」場所ではないことが残念でした。
そのせいか1階のオープンなロビーもひとがまばらで、「にぎわい」が感じられなくて
田舎の場違いな記念館か、自動車のショールームのような印象になってしまっていました。

この建築の最大の特徴は、パイプで組まれた巨大なチューブと薄いスラブを構造としている点で、
「ぐるっと回れて、スペースがどこまでも続く印象」との話を聞いていましたが、
実際はさほどインパクトや目新らしさはなく(逆に違和感もないのですが)
苦労した割に、報われていないように感じました。
どうせ無茶するなら、東京国際フォーラムくらい徹底したほうが気持ちいいかもしれません。

機能的には、部屋のレイアウトは直交座標なので、
チューブとうまくからんでいないところ(=デッドスペース?)を、ちらほら見受けられました。
特に6階美術展示スペースにおいては、わざわざチューブを避けるように展示計画されており
写真展示という条件のもと、仕方ないのかもしれませんが、
建物の特質が生かされていなかったのが残念です。

あとは色彩やマテリアル、ディテールの話になるのですが、白、黒、ざっくり、透明感、近未来。
このイメージはいろんな建築家によって流用されまくっているので、「またか」と感じました。
建設当時はよかったのかもしれませんが、この流れはそのだいぶ前に、長谷川逸子氏による
墨田のコミュニティセンターで既に完結していると思いますので、むしろ同じ伊東氏による
最近竣工した表参道のTodsの方が、今後の可能性を秘めているのではないかと思います。

この建物はオープンコンペにて案が選ばれ、その時の伊東案の模型写真は圧倒的に美しく、
伊東氏の建築、もしかしたら現代建築のターニングポイントになるかとまで期待していたので、
ちょっとがっかりしましたが、やってみることに意味があったのかもしれません。
(そういえば長谷川氏による湘南台コンペもそうでした)

美術展示スペースは5、6階にあるのですが、現在6階で催されているのは以下の展示です。

*85/05つくば写真美術館からの20年/せんだいメディアテーク
 05/05/22まで/10:00-19:00/無休?/500円

1985年につくば万博のために集められた写真展示の再現と、あらたに
それ以降、現代までの写真作品の展示を分けて対比的(?)に展示しています。

85年までの展示は名前の知れた写真家ばかりの粒ぞろいのセレクトで、
グレードが高く、見応えがあります。
05年までの方も良作が揃っていますが、表現が多様化しているので、
若干でもキャプションを入れたほうが親切だったかもしれません。

いずれにせよ、仙台だけで終らせるのはもったいない。
巡回展示を期待しています。


(05/05/06 h.taki)



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