秘すれば花




*秘すれば花/森美術館
 050619まで/無休/10:00-22:00、10:00-17:00火/1500円

副題は「東アジアの現代美術」で、日本の作家を含めたアジアの作家26名による展示。
内訳は日本7名、韓国10名、台湾4名、中国5名です。
比較的、文化の共通項が多い国がセレクトされ、書、水墨画、漢字、畳生活など
その共有できる部分をテーマにした企画と言えるでしょう。

日本人にとっては身近な主題なので、展示はわかりやすいものが多く、
美術目的でないひとも楽しんでいたようです。

また地域文化をテーマにしているにも関わらず、全体に展示のグレードは高く、
インターナショナルなものと比べても遜色がない点が、
地域住民として誇らしいものでもありました。

小林俊哉とユ・スンホの作品は、ともに現代の水墨画と言えるようなもの。
かたちを変えながらも受け継がれていく美的感覚。

シュ・ビンは、アルファベットを部首に変換して新たな「漢字」をつくりだす
作品で知られていますが、今回は象形文字の歴史的変化を順に空中に並列させて
「鳥」という字から「鳥の形象」までの変容を見せる
というインスタレーションつくっています。
「新しい漢字」と同様に、アイデアはシンプルですが、できたものは美しい。

スゥ・ドーホーは、銀座のエルメス・ギャラリーでも個展を見ましたが、
その「空気の彫刻」とでも呼べるような繊細で、はかなげな美しさを持った作品は
オリジナリティがあり、やはりちからのあるひとだと再認識しました。

リン・シュウミンとハム・ジンによるインスタレーションは
単純ですがユーモアがあり、子供でも楽しめるようなものでした。

須田悦弘は木彫の花をつくるひとで、最初に見てからもう7、8年たちますが、
紆余曲折がありながらも、「花」は変わらずつくり続けているのは評価していいでしょう。
作品を設置する「間」もだんだんうまくなってきています。

リー・ミンウェイの作品は展示というよりパフォーマンスで、
展示室に設けた「茶の間」で、希望する観客と食事をするというもの。
予約制で、英語が話せることが参加条件になっています。
何かが起こるかもしれないし、何も起こらないかもしれない。

1500円でこれらの展示と、別記する「ストーリーテラーズ」展と
東京、NY、上海の都市模型の展示、および展望台に入れます。
300円プラスすると、さらにアルマーニの服飾展示も見られますし、
タワー足元の広場には、同じ動物模型をベースにして、
世界各国の文化を塗装で表わしたような彫刻などもあって、
ここだけで一日、時間をつぶせそうです。

ただ、一部に体験型の展示に展望台帰り(?)の客が集中して
見るのに並ばなければならないのはちょっと面倒でした。
まだ開展したばかりとは思えない観客数です。


(05/04/04 h.taki)



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