愛と孤独、そして笑い




*愛と孤独、そして笑い/東京都現代美術館
 050321まで/10:00-18:00/月休、0321開/900円

現美のアニュアルで、今年は女性作家10人による展示。
出展者はイケムラレイコ、出光真子、イチハラヒロコ、
岡田裕子、オノデラユキ、鴻池朋子、澤田知子、嶋田美子
溝口彰子、綿引展子。

チラシを読んでも、なぜ作家を女性のみに限ったのか、
よくわかりませんが、むしろ作者の生年が出光の1940年から
澤田の1977年まで幅広いのが興味深いです。
そのせいか、作家ごとの個性の差が激しくて、
総体としてパワフルな感じが伝わってきました。

大きく分けると、
1.女性特有の茶目っ気的なものを肯定したユーモアのある作家
(澤田、イチハラ、岡田)、
2.女性の持つ動物的側面に視点を当てる作家(鴻池、溝口)
3.女性の情緒的心理を表わす作家(イケムラ、綿引)
4.社会的なシビアな視線を持つ作家(嶋田、出光)
5.その他(オノデラ)という感じでしょうか。

展示の題が、イチハラの使う書体で書かれているように、
1.が今回の企画名に最も近い作品群と言えるでしょう。
その肯定的パワーには圧倒されますが、いずれ行き詰まって
しまうのではないかという危惧も感じます。
イチハラは「相性占い」などで新しい道を模索している
ようですが、ちょっと辛そうです。

2.では溝口が迫力あるインスタレーションを見せています。
題材はたぶんセックスなのでしょうが、轟音のような音響と
巨大な赤い光のオブジェが作品を「体感」させてくれます。
テキストについては賛否あるでしょうが、モノはいいです。

3.は綿引が絵画で独特な世界を見せています。
鴻池の作品からも感じるのですが、どこかジブリの
アニメーションと通底しているように思いました。

4.の嶋田の作品は今まで何回か見たことがありますが、
今回は鑑賞者参加型の展示にしていて、今まで見た
啓蒙的感じが薄れているのには、好感を持ちました。

「家族の秘密」を鑑賞者が書いて展示されるというものですが
しかし、参加型にしたからその内容が中立的になるかというと
必ずしもそうではなく、文章をセレクトするという段階で
作者の意思は入っているし、書かれた内容がすべて真実か
どうかは誰にもわからないという点は
留意すべきかもしれません。


(05/02/07 h.taki)



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