痕跡




*痕跡/東京国立近代美術館
 050227まで/10:00-17:00(-20:00金)/月休/850円

作者の意図を越えた、偶然性を含んだ行為の
結果としての美術、とでも括れるような、
60人の作家による1950-70年代の120点の展示。

その内容は、アクション・ペインティング、具体、
もの派、ネオ・ダダからコンセプチュアルなものまで
多岐に渡っていて、量が多くサイズも大きくて、
作品より見る時間がかかりそうな、丁寧なキャプションなど
入場料の安さもあって、おトクな企画と言えるでしょう。

展示はテーマごとに分けられていて、「表面」「行為」
「身体」「物質」「破壊」「時間」「思考」となっており
各々に「-の痕跡」とつけると、わかりやすくなりますが
それによっておおもとの「痕跡」の意味が
拡がりすぎてしまっているかもしれません。

順路は時系列に沿っている訳ではないのでしょうが、
フォンタナのシンプルな「空間概念」から始まって、
ソル・ルウィットによるシンプルなインスタレーションで
終わるのが印象に残りました。

その間はかなりはちゃめちゃで、とにかくひとの考えも
しなかったことをする、というエネルギーに満ちたものが
多く見られましたが、なんというかアブラモヴィッチの
パフォーマンスに見られるような、切実さが不足していて
草間の網目ように、カンバスをひたすら数字で埋めていく
ローマン・オパルカの静かな狂気や、作品を絶対的ゼロに
近付けていく、ルウィットの冷静な目に負けてしまって
いるように感じました。

しかし、あまり知られていない作家の作品も多かったので
60年代前後の「前衛」芸術を学ぶには
いい企画かもしれません。


(05/02/02 h.taki)



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