アーキラボ




*アーキラボ/森美術館 /050313まで/無休/1000円?
 10:00-22:00月水木 10:00-24:00金土日祝前日 10:00-17:00火

「建築・都市・アートの新たな実験展1950-2005」とあるように、
これまであまり日の目を見なかった、後期近代-現代建築の
アンビルト・プロジェクトが主体となっています。

「え?こんなのほんとにできるの?」という「夢」のような、
非現実的で未来的な、時にユートピア的で、楽観的な、
従来の「建築」の固定概念から、より遠いものをピックアップしたような展示。
具体的には、有機的形態やメカニカルなものが多く見られます。

一方、リアルな「建築」は社会や用途やコスト、技術、環境など様々なものが
からまってできていることもあり、もっと保守的な様相をなしています。

デ・スティル、未来派、ロシア構成主義、及びF.Lライトから始まって、
ル・コルビュジェ、ミースによってモダニズム確立、アアルト、カーンらによって
古典や地域性などへゆり戻しがあって、建築の記号的側面を特化させた
ポスト・モダンが始まり、一応、モダニズムが終息したことになっています。

今回の展示はそうした従来の建築史と異なる視点でまとめられており、
特に前半部分は「近代建築史」からはずれているものが多いです。
個人的にはなかなか見られる機会がないものが多く、
興味深かったのですが、いったん納得されて終ったモダニズムの幻想を
今さら盛り返そうという意図があるならば、安直なようにも感じます。

建築は近代建築が始まった頃と同じ、鉄、コンクリート、ガラスでできている
相変わらずロー・テクなもので、社会の民主化以降は建物の用途もあまり変化はなく、
発明と言えるのは、エアコンとエレベーター、エスカレーターくらいです。

また、例え新たな技術開発が進んだとしても、
その先に見える「未来」は幻想ではないでしょうか。
近代建築運動のなかで唯一日本がリードした、メタボリズム(新陳代謝建築)も
技術が追い付かなかったというよりも、社会の現実とずれていたことで
とぎれてしまいました。

1970年の大阪万博の映像は未来への夢と希望に満ちあふれていますが、
それはもう遠い過去のことです。

コンピュータの高性能化が、新たな建築の様相へ反映される、という話もどうか。

それになにより、常に目新しいものを求めるという、
消費主義的価値観はもう終わりにして欲しい。
「歴史」はとうに終っているのです。


(05/01/05 h.taki)



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