田原桂一 光の彫刻




*田原桂一 光の彫刻/東京都庭園美術館
 050123まで/10:00-18:00/1228-0103休、0112休/1200円

基本的にモノクロの写真を撮る方なのですが、
プリントする素材を変えてみたり、
壁面に映像を写したものを撮影したり、と様々な試みをしていて、
また写真と関係なく、プロジェクターやサーチライトによる演出、
さらには、ガラスや石を用いた彫刻まで手がけています。

なかでも完成度が高いと思うのは、石彫や草花などのモノクロ写真を
磨かれた石板にプリントしたものと、
同様の写真をナイロンのような布地にプリントして、
裏面から自然光を当てるというものです。

前者はロダンによる手の石彫の写真が圧巻です。
彫像への光の当て方がうまく「古代写真」とでも言うべき風格があります。

後者は、開口部の多いこの美術館の展示環境をうまく生かしており、
逆光で撮った写真にバックライトを当てて、
もとの写真の持つ雰囲気を倍加させています。

少しすき間をあけて、スクリーンを2重にした作品もあるのですが、
表裏の写真がずらされているのか、全体に輪郭がぼやけた感じになって
これも独特の雰囲気をかもしだしていました。

作品は多彩で、他にもいろいろな試みがあるのですが、
基本的に、禁欲的でアイデアや素材がシンプルなものが成功している様です。

館外では夜に「光のインスタレーション」が展示されていました。(既に終了)
美術館の壁面に、石彫写真を投影したり、虹色のライトで木々を照らしたり、
石彫にささったガラスが光ったりと、
外の環境から隔絶された別世界を演出していました。


(04/12/25 h.taki)



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