Larry Clark




*ラリー・クラーク/パンク・ピカソ展/ワタリウム美術館
 050130まで/11:00-19:00(-21:00水)/月休(12月除く)、1230-0104休

現代社会の暗部をリアルに切り取る写真家、映画監督。

1995年に映画「KIDS」を映画館で見たのですが
AIDSがらみの話だった記憶以外、印象にほとんど残っていませんでした。
最近、レンタルで借りた新作「KEN PARK」もそんなにいいとは思いませんでしたが
その前に見た「BULLY」も同監督によるものだと後で知り、そんなとき
丁度出ている美術手帖に特集があって、その流れで展示を見にいきました。
なんとなく、ゆるゆるとはまってきたかんじです。

「KEN PARK」(2001年)
4人の少年少女の話。
各々生育環境が劣悪で、親や大人から精神的、肉体的、
性的暴力、抑圧を受る場面が続く。
KEN PARKというのは別の少年のアダ名で、
話の冒頭でGFの妊娠を苦に短銃自殺をしてしまう。
他の4人と知り合いではあるが、からかわれる立場で
死んでからしばらくすると、忘れられてしまうような存在。
KEN PARKと対照的に、4人は生き残ろうとする。
(ひとりは精神的に不安定で、祖父母を殺害し、逮捕されるが)
各々の話は独立してばらばらに進行するが、
話の最後で唐突に3人のセックスシーンが挿入される。

最後のシーンはどうやら「希望」を表わしているらしいですが
納得できるかんじではありませんでした。
ただセックスをコミュニケーションだと捉えればわからなくはない。

しかしここで描かれているのは、子供という弱者のなかの、
仲間がいて、生きようとする力のある強者です。
弱者のなかの弱者のKEN PARKはまったくむくわれない。
そのあたりがあまり共感できなかった理由かもしれません。

ただこうした現実をナマのまま突きつける映像に
どこか引きつけられるところがあるのもたしかです。
やはり実話に基づいた映画「MONSTER」の叙情的、予定調和的な
甘々なストーリーと比べるとなおさらです。

今回の展示では、もう還暦を迎えた作者の半生をたどるものです。
DVDの特典映像に映るラリー・クラークは「イッちゃったオジサン」でした。
生きていることが事件であり、美術(?)であるようなひとです。
その作品はやはり好みとは言えませんが、それがあることが許されること
認められること自体に価値があるのかもしれません。


(04/11/05 h.taki)



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