Living Together is Easy




*Living Together is Easy/水戸芸術館
 040328まで/月休/9:30-18:00/800円

日豪12名の作家によるグループ展示。
突出した印象の作品はありませんでしたが、
心に引っかかった幾つかの展示をピックアップしてみます。

リッキー・スワロウの作品は現代におけるポップ・アートか。
iMacに似せた骸骨はユーモアと死のイメージの融合が素敵です。

スーザン・ノリーによるモノクロのヴィデオ・インスタレーションは
心地よい空間バランスと独特な雰囲気を持っています。
東欧や旧ソ連の研究施設等を想起させるその映像は、
チェルノブイリの事故など、20世紀の世界の暗部をイメージするものでした。

ローズマリー・ラングの森林に絨毯を敷き詰めた写真は
自然と人工物が融合(もしくは対立)した、不思議な作品です。
「自然」という言葉を多用しながら、その実どこまでが本当の
「自然」なのかわからなくなっている現代の暗示のようにも見えます。

フィオナ・ホールの下水管が先カンブリア期の生物のような
有機体に変化するスカルプチュアはとても完成度が高く、美しいです。

もとみやかをるの、断栽された紙によるタスマニア・タイガーの
スカルプチュアは、自然と生産についての社会的なメッセージが明確で
興味をひかれました。

デヴィッド・ロチェスキーの若者の群像を映像で描写しながら、
その表面的な平和と裏腹に、個個人で異なっている意識をナレーションで
かぶせていく作品は、アイデアとしてのオリジナリティには疑問がありますが
ナレーションの一言一言が「あーわかる」と共感を持てるものだったので
面白かったです。

全体を通して見て、強いメッセージを持つ作品は少ないと感じました。
人と人との共生という点ではデヴィッド・ロチェスキー、
人間と自然との共生ではローズマリー・ラングともとみやかをるがあげられるでしょう。
現代における日本的なものの解釈とでもいうべき、束芋、山口晃、中村哲也の
展示とその豪版のサミュエル・ナマンジャーの作品は微妙なところ。

「共生」については自分も7、8年前にはいずれそういう時代が来て、
世界はエコロジーが主体となって「進歩」ではなく、地球を長生きさせていく
方向に進むと感じていましたが、
それも実態に合わない理論でしかなかったかもと最近は考えています。
テロに対する反応などを見ると、他者の存在とその違いを認めて
共に生きていくというのは、とても難しい。
個人的には、もう無理はしないで、少人数でもわかってくれる人とだけ
過ごせればいいかなどとまで考えています。

この問題はとても重要で、難しい。
テーマとして選ぶセンスはよいと思いますが、
今回は作品の方がちょっとついていけなかったのかなと感じました。


(04/03/22 h.taki)



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