HAPPINESS




*ハピネス アートにみる幸福への鍵/森美術館
 20040118まで/無休/1000円
 10:00-22:00日月水木 10:00-24:00金土祝前日 10:00-17:00火

この美術館の特徴は、夜遅くまでの長い開館時間と、
入館料を展望台と美術館をセットにしたこと、
それと民間の美術館としてはかなりの規模の展示面積にあるでしょう。

六本木ヒルズは東京の新名所だけあって、今でも多くの観光客で賑わっています。
その観光客に対して、ここの美術館の敷居はとても低くなっていて、
美術や現代美術に格別な関心がない人たちも「せっかくだから」見て回っています。
こうした試みはデパートに美術館を併設したかつての西武と同様な流れと見られますが、
ここまで徹底するのは画期的です。

展示空間はビルのコアを取り巻く形で、基本的に1way動線になっています。
空間自体は悪くないのですが、これだけ展示規模が大きくなると
ショートカットや途中退出ができないのがつらい。
まともに見て一巡するのに3時間かかると言われています。
私が最初にざっと通して見て回っただけでも40分かかりました。
この時間だとビデオ作品はほとんど見られません。

観客は多いし、混むときは混むのですが、この規模と観客の質によるためか、
じっくりと見て回る人は少なそうです。
なので観客の背中越しにしか作品が見られないという事態にはなっていないのが救い。

今回の企画に関しては、まずこれが企画展だということに驚きます。
約260点という出展数もそうですが、ビデオブースや壁に埋め込まれた展示など
造りこまれたものが多くて、これを企画ごとに築造、撤去していくのに
かかる手間とコストは半端なものではないでしょう。
展示も巡回展示だと展示規模が合わなくなると思われるため、
常にオリジナルなものを求められるというのも大変なことでしょう。
その際のテーマ設定も、これだけの数の作品の共通項目となると、
なかなか難しくなってくると思います。

今回のテーマは「ハピネス」。
展示全体を「アルカディア」「ニルヴァーナ」「デザイア」「ハーモニー」という
4つのテーマに分けて、あたまに「ワールド」最後に「ユニバース」で締めくくる、
ストーリー性が見られるものとなっています。
展示内容は仏像のような博物館的なものから現代美術までさまざまです。
テーマに沿って通して見るのが一番簡単ではありますが、
それぞれの作家の個性やバックグラウンドまで思いを馳せることは難しくなります。
森美術館の方のギャラリートークでは1時間で10数点ほどの作品しか回れませんでした。
当日であれば再入場は可能なのですが、
1日ですべての作品を踏み込んで見るというのは大変です。
せっかく質の高い作品が揃っているというのに、もったいない感じがしました。
ワタリウムのような期間内再入場可のパスポート制にしてくれると嬉しいのですが。

個々の展示について感想はあるのですが、
この膨大な展示の全体を一言で括っていいものかという疑問もある。
「ハピネス」というのはいい言葉だし、
現代美術への導入の手がかりとしては適当だとは思うのですが。


(03/12/23 h.taki)



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