川俣正 デイリーニュース




*川俣正 デイリーニュース/水戸芸術館
 020114まで/月休、011227-020203休/9:30-18:30/800円

圧倒的なのはギャラリーを見通せないほど高く積まれた新聞の山。
登れますが、ハイヒールなどはやめておいたほうがいいでしょう。
他に今までの自らの活動を紹介したブースや、スライド展示などがあります。

スライド展示は、事故や災害の現場写真と自らの作品写真を
並列してランダムに写し出すもので、川俣さんの原点が
あらためて廃虚趣向にあると感じられ、興味深かったです。

もともと川俣さんはそういう感じだった。
社会や体制に対するゲリラ的な活動、暴力的な意義申し立て。
活動と社会との摩擦にその存在意義があったように思います。

それが近年では、不況による社会の保守化に呼応してか、
遊歩道や船をつくったりと、社会寄りの活動が目立っていました。
社会的に説得力のある作品というか。
(余談ですが、川俣さんの遊歩道のプロジェクトは
「電波少年」の「アンコールワットへの道の舗装」に似ている。
「電波少年」も保守的になったものだなあ)

今回の新聞によるインスタレーションからは、そんな川俣さんが
原点に帰ってきたような印象を受けました。
社会的な意義づけより先に、やりたいからやる、という感じ。
歓迎します。

新聞の量は半端ではなく膨大で、
中央の展示室で山の上に登るとピラミッドの底面に視点が届きます。
この視点は展示室が方形であることを忘れさせ、面白い。
一方、足元のひとつひとつの新聞に目をやると、
そこには日々生産され消費されていく、膨大な量の情報があり、
それに何の意味があるのかと空しささえ覚えました。


(01/11/19 h.taki)



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