横浜トリエンナーレ2001




*横浜トリエンナーレ2001/パシフィコ横浜、赤レンガ倉庫、他
 011111まで/1023休/10:00-18:00(-20:00金)/2000円

平日であったのに、おばちゃんたちとか結構入場者がいて、
現代美術に日頃縁がない人達にもアートに触れる機会を、
というイベントとしては成功しているのではないでしょうか。

ただ個人的には、美術はもっと生活の身近なところにあって、
その意識や視点をちょっと変えてくれるものであると嬉しく思っているので、
展示場の大空間のなかに見本市のように美術が羅列されているのには
どうにも違和感が拭えませんでした。

メインのパシフィコ横浜だけでも76点の展示。
会場はレイアウトが斜めに振られていて迷路のよう。
ひとつひとつの展示をゆっくり見るという感じにはなかなかなりません。
そういう意味で、難解な展示やヴィデオ・インスタレーションは
評価が難しく、不利な感じがしました。

その数多いヴィデオ・インスタレーションのなかでは、
ピピロッティ・リストやドミニク・ゴンザレス=フェルステルによるものが、
少女的なはかなさを表していて興味深かったです。

インパクトのあったのは草間彌生。
ミラーハウスのなかにミラーボールが
限りなく増殖している様子は美しかったです。
また別の意味でインパクトがあったのは、スン・ユエン+ペン・ユーによる
人間から脂肪吸引された脂を古典的な柱に型取ったもの。
そのなまなましさに圧倒されました。

意表をついていいと思ったのは、カール・ドゥネア+ペーダー・フレイによる、
ジョルジュ・デ・キリコの絵を立体化したような白い彫刻。
わずかな音を発しながらゆっくりと動くそれは、
大仕掛けの多い展示のなかで、ささやかな静謐さを守っていて魅力的でした。

今回の展示からあえてナンバー・ワンを選ぶとしたら、
マリーナ・アブラモヴィッチでしょうか。
磁石のついた靴と防音ヘッドホンをつけて鉄板の上を歩くというもの。
どこか他の星の上を歩いているような不思議な体験ができました。

これだけの量の展示を見ると疲れる、というのを見越してか、
蔡國強の展示は、電飾の花火の下にマッサージ・チェアを置くというもの。
私もなんともリラックスしてしまいました。

今回はあらかじめ情報収集をしてから見に行ったので、
現物とのギャップを感じるものも幾つかありました。
なにも知らずにマウリツィオ・カテランや塩田千春らの作品を見たら
また違った印象を受けたかもしれません。

こういうのもよしあしですね。


(01/10/18 h.taki)



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