ジョルジュ・ルース展




*ジョルジュ・ルース展/東京都庭園美術館
 010603まで/0509、0523休/10:00-18:00/800円

部屋のある一点に立つと、図像が浮かび上がってくるように
遠近法を利用して床、壁、天井に着色を施した作品です。

私自身、同様のアイデアを以前スケッチしたこともあり、
発想としては特に目新らしい感じはしませんでした。
ファーレ立川にも似たような作品がビルの屋上に展示されていますが、
あれも同氏によるものでしょうか?

作品には幾つかのパターンがありますが、
視点に対して平行に図像を配するものは、
写真の上にペイントするのと結局変わりがないので退屈です。
それより、図像自体にも遠近感があるもののほうが、
部屋の遠近感とのずれや歪みなどを生んでいて、面白い。

最近のものになると、部屋をハリボテでつくりこんだりして、
こうなるとまたコラージュと変わらなくなってきてつまらない。
実在感をあいまいにするためか、着色してある部分を
荒いタッチで表現しているものもありますが、
出来上がりのグレードを下げてしまっていてイマイチです。

全体を通して、いいものもあればそうでないのもあるという感じで、
トリックアートの限界か。
よくないものでは、がんばっているのにそれだけの効果が出ていない、
なぜそこまでするのか意味がつかめない、というものが多いです。
ひとつの作品にかける労力が大変なものと想像されるので、
余計にその感を強くしてしまいます。

それにしても、ビデオを置く部屋の奥にまた展示があったり、
狭い入口からしか覗けない作品など、展示計画がよくないです。
これだけの展示を庭園美術館で行なうという企画自体、
無理があったのかもしれませんが。


(01/05/08 h.taki)



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