『バレンタイン・ファイト!(さくら VS 知世)』



「で、さくらちゃん。昨日の首尾はどうでしたの?」
「どうって・・・べ、べつに何にもなかったよ」
「あら、ほんとうですの?」
「何にもないことあらへんがな〜。昨日、さくら帰りが遅くて兄ちゃんにえらい怒られとったやないか」
「ケロちゃん!余計なこと言わないで!」
「まぁ!やっぱりさくらちゃん、李くんと・・・」
「ち、ちがうよ!昨日はわたし小狼くんの家で眠っちゃって、それで帰りが遅くなったの!それだけだよ」
「無防備に眠るさくらちゃんの可愛さに、李くんつい魔が差して・・・」
「知世ちゃ〜ん。そんなことなかったよ。小狼くんはそんなことしないよ!」
「ほんとうに?」
「ほんとうだよ」
「そうですの・・・(あれだけお膳立てしてさしあげたのに・・・ちっ、とんだチキン男ですわ)」
「ん?なにか言った?」
「おほほほほ。なんでもないですわ。それよりさくらちゃん、1日遅れましたけどわたしからさくらちゃんへのチョコですわ」
「・・・・・・」
「どうしました?さくらちゃん」
「知世ちゃん、このチョコ・・・お酒入ってないよね?」
「まぁ、さくらちゃん、わたしを疑っているのですか?」
「そうじゃないんだけど、あのお店で見たチョコに似てる気がして」
「お疑いでしたらわたしからお毒見しますわ」

ひょい。
ぱく。
もぐもぐ。
ごっくん。

「これでよろしいですか?」
「うん、ごめんね知世ちゃん。変に疑っちゃって」
「いいえ。それではケロちゃんもいっしょにいただきましょう」
「おうっ!待ってたでぇ!」


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「知世ちゃ〜ん」
「はい、さくらちゃん」
「この部屋少し暑くない?」
「いえ、特には。暑いのですか?」
「うん。さっきからなんか暑くなってきたみたい」
「まぁ。それではこちらの冷たいジュースなどいかがでしょう」
「ありがとう、知世ちゃん」

ゴクゴクゴク

「知世ちゃん・・・このジュース、面白い味がするね」
「おほほほほ。母が外国から仕入れてきたものですわ」
「美味しいけど・・・なにか・・・」
「さあさあ、どんどん召し上がれ」
「うん・・・」

・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

「知世ちゃ〜ん。なんか気持ちよくなってきちゃったよ〜」
「さくらちゃん、ふらふらして危ないですわよ?」
「そう言っても。はにゃ〜ん。もうダメ〜〜〜」

きゅぅ。
パタン。

すぅーっ すぅーっ ……… … … …


「おほほほ。よく効くお酒ですわ」
「やっぱり酒が入っとったんか。けど、たしか知世も一緒に食っとったよな。なんで知世は大丈夫なんや?」
「おほほほ。お酒が入っていたのはチョコではありませんわ。さくらちゃん、チョコは警戒されていたようですのでチョコ以外のお菓子とお飲み物の方に入れましたの」
「知世・・・(汗)お前はホンマに・・・」
「おほほほほほ。わたしも自分の欲望のためには手段を選びませんわ」
「欲望って、何する気や?」
「これですわ!」

ばさっ!

「それはたしか、学芸会の時に小僧が着とったお姫様の服か?」
「そうですわ。あの時は李くんがお姫様でしたけど、やはり眠り姫はさくらちゃんにしか似合いませんわ」
「ま、たしかに小僧よりもさくらに似合うとは思うけどな。でも、そんなん着せるためにさくら眠らせたんか?素直に頼めばいいやないか」
おほほほほほほほほほほほ(邪笑)
「(ゾ、ゾクゥッ!)な、なんや?何かまだあるんかいな」
「これですわ!」

ばさっ!!

「それは・・・あの時さくらが着とった王子様の服か?」
「そうですわ!眠り姫を目覚めさせるのが王子様の役目ですわ」
「お、王子様・・・?おい、なんで知世がその服に着替えとるんや?お〜い、知世〜〜〜人の話聞いとるか?」


脱ぎ脱ぎ
着せ着せ
脱がせ脱がせ
着せ着せ
ばさばさばさばさ・・・
がさがさがさがさ・・・


「さ、準備は出来ましたわ!」
「準備って、何する気なんや」
「愚問ですわ。眠り姫を目覚めさせるのは王子様の愛のこもったキスしかありませんわ!」
「キ、キス〜〜〜???と、知世〜〜〜」
「なんですの?」
「いや、その・・・人の道は踏み外さん方がええと思うんやが・・・」
ケロちゃん!それは『ピッフルプリンセス特製チョコレートケーキ・バレンタインスペシャル』はいらない、とおっしゃっているのですか?」
「い、いや!そんなことあらへん!」
「でしたら手順どおり撮影の方をよろしくお願いしますわ」
「お、おうっ!」


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『あぁ、なんと美しい姫君だ。わたしは誓う。この美しい姫君を生涯愛し守ることを。さあ、姫よ。わたしの口付けで・・・』

(さくら〜堪忍や〜。わしは弱い男なんや〜〜〜。あの『バレンタインスペシャル』の魅力には抗えんのや〜〜〜)


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          バレンタイン・ファイト Result

             ●さくら × ○知世

             決まり手 : 

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END


バレンタイン話その3。
バレンタイン中は出張でパソコンもさわれず他のサイト様のバレンタイン話を見ることもできず。
帰ってから他のサイト様を回ったのですが・・・う〜ん、やっぱり他のところは甘い話を出されてますね。
出張が無ければチャレンジしたかったのですが。いつか甘い話にチャレンジしたいです。

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