『わたしの生まれた日(邪!)』
「ねえ、知世ちゃん」
「はい、なんでしょうか。さくらちゃん」
「わたし、なんで縛られてるの?」
「縄でですわ」
☆☆☆ 正しい日本語の使い方講座 ☆☆☆
誤った聞き方:なんで縛られてるの
正しい聞き方:どうして縛られてるの
それはともかくとして。
さくらがそう聞いてしまうのも無理はない。
なにしろ、荒縄で全身をぐるぐる巻きにされてしまっているのだから。
それも、亀とか甲とかつく日本古来の伝統に則った縛り方で、である。
こんな縛り方は、な○よしとか少年マ○ジンには絶対に出てこないだろう。
「ご心配なく。その縄は飛騨の職人さんに特注したプレイ用の縄ですから。荒縄の外見とシルクの肌触りを両立させた至高の一品。さくらちゃんのお肌を傷つけるようなことはありませんわ」
「そうじゃなくて〜〜。どうしてわたし、縛られちゃってるの?」
「だって、さくらちゃん、先ほどおっしゃったじゃないですか。誕生日プレゼントはわたしの欲しいものならなんでもくださると」
「たしかにそう言ったけど。それと縛られてるのと何の関係があるの??」
「おほほほ。愚問ですわ。わたしが欲しいものはこの世にただ一つ・・・さくらちゃんだけですわ!!」
むにむにむに
ふにふにふに
「ほぇぇぇっっ〜〜!」
「あぁ、この柔らかいお胸、白いお肌、ぷにぷにしたお腹、それに・・・」
「知世ちゃん!? そんなとこ触っちゃだめぇぇぇ〜〜!!」
「ここもこんなに可愛らしくて。あぁ、たまりませんわ〜〜」
「ダメだよ知世ちゃん! 女の子同士でこんなの・・・・・・」
「あら。それは違いますわ。女の子同士だからよろしいのですわ」
「なんでぇぇ〜〜??」
「だって、考えてみてくださいな。男の子がさくらちゃんにこんなことをしたら、お巡りさんに捕まってしまうでしょう? 女の子同士だからこそ許されるのですわ」
「女の子同士でもダメだよ〜〜!!」
・・・なるほど。
先ほどの告白にあった「女の子に生まれて本当によかった」の真意はこういうことだったようだ。
知世の頭の中では『女の子同士だったらエッチなことをしてもノープロブレム!』ということになっているらしい。
当たり前だが、女の子同士でも相手の同意を得ずにエッチなことをするのは犯罪である。
ましてや、睡眠薬で眠らせて、そのうえ地下室に監禁し、さらに荒縄で縛り上げるときては完璧にアウトだ。
懲役年数が片手の指では足りないのは確実である。
まあ、この少女に今さらそんな一般常識を説いたところで無意味であろうが・・・・・・
「うふふ。そんなこと言われましても。さくらちゃんのここはそう仰ってないようですわよ?」
「と、知世ちゃん・・・そこはぁ・・・んんっ」
「あらあら。さくらちゃんったら。李くんという人がいながら、もうここをこんなにしてしまわれるなんて。なんてイケない子なんでしょう!」
「もう許して・・・知世ちゃん・・・」
「もちろんダメですわ。夜はまだまだ長いのですから。この日のためにいろいろと用意したものもございますし。さぁ、さくらちゃん。お覚悟はよろしいですか?(ニヤリ)」
「ほぇぇぇっっっ〜〜〜〜〜〜!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
大道寺邸の地下深く。
知る者も少ない密室の中に少女の歓喜の声が響く。
「あぁ、神様。お母様。知世は女の子に生まれてきて本当に幸せですわ〜〜! 幸せ絶頂ですわ〜〜!!」
えんど
この作品を大道寺グループの関係者と、名前に黒とか鷹とかつく忍びの人に見せることを固く禁止します。
あと茶々様。裏でこんなアホ話書いてました。ごめんなさい。