『至高の愛・・・その果てにあるもの(さくら編・オチ)』



今回の旅行は我ながらうまくいったと思う。
前みたいに変な事件も起きずに、ゆっくりと香港の名所を巡ることが出来た。
なによりも苺鈴や姉上たち、ぬいぐるみや大道寺などいつものお邪魔虫たちに邪魔されずにずっと二人っきりでいられた。
本当に最高の旅行をさくらにプレゼントできたと思う。

・・・はずなんだけどなあ。

「なあ、さくら。何か気に入らないことでもあったのか?」
「え?なんでそう思うの?」
「いや、さっきからなんか機嫌悪そうな顔してるな、と思って」
「そんなことないよ!あ、ちょっと疲れたからかな。やっぱりいろいろ回ったから疲れたよね!」
「そうか?ならいいんだけど」

疲れただけ?
そうかなあ。
なんか帰りの飛行機に乗ってからずっとむくれっぱなしな気がするんだけど。
気のせいかなあ。


☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆


さくらの機嫌が悪い理由がわからずに困惑する小狼くん。
まあ、無理はありませんね。
なにしろさくらが

(なんだったのよ〜『夢』さん、あの夢は!小狼くん、何もしなかったじゃないの!なんの意味があったのよ!わたしがあんな風にされたい変態さんだって言いたいの!?小狼くんも!なんで何もしてくれないのよ!もう、小狼くんのバカ!)

などと理不尽な怒りを爆発させているとは想像できないでしょうから。

恋するお姫様はわがまま。

小狼くんの苦労はまだまだ続きそうです。

END


オチはいつも通りで。
なお、小狼くんがさくらの前で一瞬険しい顔をしたのは単に夜蘭さんへの挨拶を考えてただけだったりします。
本当に気苦労の多い少年です。

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