『魔法少女 ともよ☆サクラ』


世界迷作マンガ劇場その7

キャスト:
鹿目まどか:さくら
暁美ほむら:知世
きゅうべえ:ケルベロス
ワルプルギスの夜:?

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地下の書庫から偶然、魔法のカードを解放してしまったさくら。
残されたカードの守護者・ケルベロスに言いくるめられてカードキャプターにされそうになってしまうが??

「わいと契約してカードキャプターになってや」
「わかったよ。わたし、カードキャプターになるよ!」
「よっしゃ、契約成立や! 封印の鍵よ。汝との契約を望む者がここにいる。少女、名をさくら。鍵よ少女に力を与えよ! 『封印解除』!」

パァァァァァァ!

ケルベロスが呪文を唱えると床にまばゆい光を放つ魔法陣があらわれた。
その中央に浮かぶ魔法の杖!

「さくら! 杖をとるんや!」

ケルベロスに言われるままに杖へと手を伸ばすさくら。
友枝町の救世主、カードキャプターさくら! 今ここに誕生!

・・・・・・のはずだったが。

ズギューーン!!

響き渡る一発の銃声!

「ごはぁっ!」

血しぶきを上げて吹き飛ぶケルベロス!

「な、なに! なんなの!?」
「さくらちゃん。そのケダモノに騙されてはいけませんわ」
「そ、その声は・・・・・・?」

事態の急変についていけず慌てるさくらに書架の奥から何者かの声がかかる。

コツ、コツ、コツ・・・・・・

薄闇の中から硝煙たなびく銃を手に姿を現したのは・・・・・・知世!
大道寺知世!

「知世ちゃん!? どうしてここに!」
「だ、誰や」
「わたしの学校のお友達だよ。で、でも、なんかいつもの知世ちゃんと違うような・・・・・・?」

たしかにいつもの知世とは少し違う。
セーラー服を基調にしたと思しきコスチュームや左手に装着された盾らしきものもそうなのだが、それ以上に雰囲気が違う。
どこか神々しい、神秘的な雰囲気を漂わせているような・・・・・・?

「知世ちゃん、だよね?」
「ふふっ、さくらちゃん。わたしはたしかに知世ですけど、さくらちゃんの知る知世ではありませんわ」
「え? ど、どういうこと?」
「わたしは魔法少女トモヨ。そして・・・・・・時間遡行者トモヨ!」

バァァァァ〜〜〜〜〜ン!!

「魔法少女? 時間遡行者?」
「さくらちゃん、わたしは未来から来ました。さくらちゃんを助けるために」
「わたしを助けるため? どういうことなの!」
「さくらちゃん、そのケダモノに騙されてはいけません。そのケダモノ、『ケロベーダー』の狙いはさくらちゃんの魔力だけ。カードだのこの世の災いだのは口からのでまかせです」
「わたしの魔力?」
「はい。さくらちゃんはとても強い魔力をお持ちです。友枝町を守りたいというさくらちゃんの優しいお心を利用してその魔力を根こそぎ搾り取る、それがケロベーダーの真の狙いなのです」
「そ、そうなの?」
「そんなわけあるかーーっ! お前はいったい、なにを言うて・・・・・・」

ズギューン!
ズギューーン!!


「ぐふぅっ!」
「うるさいですわね。しばらく黙っててくださいな」
「ほ、ほぇぇぇぇ〜〜」
「お話の途中でしたね。未来のさくらちゃんは、友枝町を守りたいというお優しい心をケロベーダーに利用されて魔力を根こそぎ搾り尽くされてしまいました。そして、最後には・・・・・・最後には、うぅっ」
「最後にはわたし、どうなっちゃったの?」
「恐ろしい魔物、『ワルプルギスの小狼』の餌食となってしまったのです!」

ドォォォォ〜〜〜〜ン!

「わるぷるぎすのシャオラン? う〜〜ん、あんまり悪そうな名前じゃない気がするけど。それ、そんなに悪いお化けなの?」
「名前の響きに騙されてはいけませんわ! 未来のさくらちゃんもあの間男・・・・・・じゃなくてあの魔物の見せかけの優しさに騙されて身も心もしゃぶり尽くされてしまったのです! くぅ〜〜あの間男、よくもわたしのさくらちゃんを!」
「なんや。未来のお前がさくらにつれなくされたっちゅーだけの話かいな。アホらしい」
「あら、まだ息がありましたの。さすがは『ケロベーダー』たいした生命力ですわね」

ズギューン!
ズギューーン!!


「うぐぅっ! ま、またわいはヤラレ役かい。いつもいつも・・・・・・がくっ」
「さあ、さくらちゃん。邪悪な侵略者は退治いたしましたわ。いきましょう」
「え? あ、あれ? い、いいのかな。カードを集めないとこの世の災いが起きたりしちゃわないのかな」
「おほほほ。いやですわ、さくらちゃん。そんなマンガみたいなこと起きるわけないじゃないですか」
「だ、だってさっきケロちゃんが」
「あら、あのぬいぐるみが何か仰ってました? わたしには何も聞こえませんでしたけど」
「そ、そうだった?」
「そうですわ。さ、いきましょう」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・

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こうして、カードキャプターの誕生は幻となってしまいました。
当然のことながら解放されたカード達は友枝町のあちこちで暴れ回り、奇奇怪怪な事件が多発したそうです。

「知世ちゃん、最近あちこちで変な事件が起きてるそうなんだけど。やっぱり、あの時のカードが原因なんじゃないかなあ」
「考えすぎですわ、さくらちゃん。最近は地球温暖化の影響で異常気象が多発してますから。そのせいでしょう」
「そうなのかなあ」
「そうですわ。おほほほほほ〜〜〜〜」

めでたしめでたし?

まあ結局はいろいろあって最後には

「おれがいちばん好きなのはさくらだ」
「わたしのいちばんは小狼君だよ!」

ってことになっちゃうんですけどね。

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「くぅぅ、またしてもあのヘタレ男にさくらちゃんを! こうなったらまだ時間を遡ってやり直しですわ!」
「なんべんやり直しても同じやと思うがなあ」
「いいえ! あきらめたらそこで終わりです! いつか必ずさくらちゃんを救ってみせますわ!」
(そうかぁ? わいには毎回救われとるように見えるんやけどなあ。お前っちゅう魔女から)

法少女・ともよ☆サクラ


知世ちゃん、お誕生日おめでとう!(棒読み)
ネタはさくらとまどマギを見た人ならば一度は考えたであろうネタです。
もっとも直接の元ネタはまどマギそのものではなく、となりの801ちゃん。

「ふ〜〜う濁った! 今日もタイバニ見てソウルジェムがすごく濁った!」
「なに〜〜チベくんその顔は。ソウルジェムがキレイだった時があるのって言いたいの?」
「いや、別に・・・・・・」
―――というか。すでに魔女じゃないか。

知世ちゃんならば確実に魔法少女をすっ飛ばして魔女になれますね。

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