TMR

(TOMOEDA MSTERY REPORTAGE)



199X年現在、友枝町は様々な問題を抱えている。
人種(?)問題、宗教(??)問題、環境(???)問題、etc―――
だが人々は知らない。
その陰に蠢く恐るべき者達の正体を。
そして、その闇を探求する者たちの存在を!

TMR(TOMOEDA MSTERY REPORTAGE)
TMR緊急報告!
友枝町は狙われている!


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キャスト
キバヤシ:山崎
ナワヤ:小狼
トマル:エリオル
その他:さくら、千春、知世、奈緒子

※なお、本文中はMMRの伝統にならって氏名をカタカナ表記とさせていただきます。

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ヤマザキ:「本日みんなにここに集まってもらったのは他でもない。とても重大な相談があるからだ」
リ   :「なんだよ、相談って」

キノモト:「相談って、なにかあったの?」
ミハラ :「またつまらないウソじゃないでしょうね」

ヤマザキ:「ミハラ隊員、無駄口は慎んでくれ」
ミハラ :「隊員〜〜? なんなのよ、それ」
ヤマザキ:「君たちは感じないか。ここ最近、この友枝町で何か異変が起きている・・・と」
ミハラ :「別に。何も感じないけど」
ヤマザキ:「そこで僕はこの異変の正体を突き止めるために、密かに調査を進めていたんだ。そして確信した」
トモヨ :「確信したって、何をですか?」
ヤマザキ:「この友枝町で恐るべき陰謀が進行していると・・・!」
ミハラ :「ちょっとちょっと山崎くん! なにをバカなこと言ってるのよ。頭、大丈夫? なにかおかしなものでも食べたの〜〜??」
リ   :「ヤマザキ。ミハラの言うとおりだ。何の証拠も無しに陰謀なんて言われても信じられないぞ」

ヤマザキ:「リ隊員。君の意見はもっともだ。しかし、僕はすでいくつか確実な証拠を入手している。まずはこれを見てほしい」


そう言いながらヤマザキがみなの前に提示したのは1枚の写真。
どうやら夜の友枝公園らしいが、なぜか地面にポッカリと大きな丸い穴が空いている。

ミハラ :「この写真がなんだっていうのよ」
ヤマザキ:「ミハラ隊員、この写真、何かおかしいと思わないか」
ミハラ :「おかしいって、この穴のこと? 工事でもしてたんじゃないの」
ヤマザキ:「いや、それはありえない。なぜならこの場所に穴を掘ることは不可能だからだ。もう一度、写真をよく見てほしい」
ナオコ :「う〜〜んと・・・あ、わかった!」
ヤマザキ:「ナオコ隊員は気がついたみたいだね。みんな、後ろの砂場やすべり台の位置に注目してくれ。砂場とすべり台の位置から考えるとこの穴の位置はどこになる?」
ミハラ :「あっ、ペンギン大王のあるところ・・・?」
ヤマザキ:「その通りだ! もちろん、あそこに穴を掘ることなんてできない。市役所にも確認したけど、公園ができてからペンギン大王を動かすような大掛かりな工事は一度として行われていない。つまり、この穴は存在するはずの無い穴なんだ!」
ナオコ :「存在するはずの無い穴・・・きっと異次元に通じる穴だよ!」

トモヨ :(・・・李くん、さくらちゃん。あの穴ってひょっとして・・・?)
キノモト:(うん。『消』さんを変えた事件(テレビ52話:さくらのひつじ注意報!?)の時の穴だよ)

リ   :(そうみたいだな。しかし、なんであの時の写真なんかあるんだ?)


ヤマザキ:「リ隊員! これを見れば理解してもらえるだろう。友枝町は狙われているんだ!」
リ   :「い、いや、ちょっと待て。たしかに変な穴なのはわかったけど、それがどうして陰謀と繋がるんだ。ただ穴が空いてるだけじゃないか」
ヤマザキ:「そう言うと思ったよ。でも証拠はこれだけじゃない。こっちの写真も見てほしい」


ヤマザキが次に取り出した写真はやはり夜の友枝公園。
そこに写っているのは斜めに傾いたペンギン大王の姿だ。

ヤマザキ:「これは、どうやら同じ日に同じ場所で撮られた写真らしい。注目してほしいのはペンギン大王の下の部分だ」
ナオコ :「ペンギン大王の下? あれ、何かがいるみたいだけど。ヤマザキくん、これ、なんなの?」
ヤマザキ:「ナオコ隊員、これこそがまさに陰謀の実在を示す証拠なんだ! ペンギン大王の角度と高さから考えて、この『何者』かはペンギン大王を持ち上げているとしか思えない」
ミハラ :「え、でもペンギン大王を持ち上げるって言うけど。ペンギン大王ってそんなに簡単に持ち上がるものなの?」
ヤマザキ:「それも調査済みさ! ペンギン大王の重さは約10トン! 大型の重機なしで持ち上げることは不可能だ! それをこの『何者』かは軽々と持ち上げている」

トモヨ :(あれって、ひょっとして・・・さくらちゃん?)

リ   :(みたいだな。なるほど。あの時、オレ達が後ろを向いてる間に『力』のカードを使ってペンギン大王を動かしたわけか)
キノモト:(ほ、ほぇぇぇ〜〜! なんであの時の写真なんかあるの〜〜??)

ヤマザキ:「存在するはずのない穴・・・10トンものペンギン大王を軽々と動かす謎の生物・・・これらが意味するものは1つしかない」
ナオコ :「意味するものは・・・? ワクワク・・・」


「友枝町はエイリアン(地球外生命体)の侵略を受けている!」

「な、なんだってーー!?」

「なんですってーー!?」


リ   :「そんなバカな!(なんだってそんなバカな結論になるんだ???)」
ヤマザキ:「いや、間違いない! この穴はエイリアンの地下基地に通じる秘密通路だ! 普段はペンギン大王で偽装されているが、有事には特殊な生物の手により開かれるんだ」
ナオコ :「特殊な生物?」
ヤマザキ:「ペンギン大王を持ち上げている生物のことだよ。サイズといいシルエットといい、これまで報告にあったグレイと同種と見て間違いない。おそらくは遺伝子操作で筋力を増加された特殊なタイプなんだろう」
キノモト:(グ、グレイ・・・わたし、あんな宇宙人に似てるのぉ〜〜?? ガーーン)
トモヨ :(さくらちゃん、しっかり! さくらちゃんは宇宙人に見えたりしませんわ! ったくあの糸目は・・・言うにことかいてさくらちゃんをグレイなんて!)


衝撃の事実に(いろいろな意味で)ショックを隠せない一同。
と、そこへ一人の少年が駆けつけてきた。
その手にはこれまた1枚の写真が握られている。

エリオル:「ヤマザキ隊長!」
ヤマザキ:「どうしたんだ、エリオル隊員! また何か異変が起きたのか!」
エリオル:「どうやらそのようです。これを見てください」

エリオル隊員の差し出した写真に写っていたのは、やはり友枝公園。
但し、夜ではない。また、場所も先ほどの2枚とは違う。
公園入り口付近を写したものらしい。

ヤマザキ:「この写真がどうしたっていうんだい」
エリオル:「隅に写っている手すりに注目してください。まるで腐り落ちたみたいにボロボロになっているでしょう」
ヤマザキ:「言われて見ればたしかに。でも、今朝あそこを通った時にはなんともなってなかったけど?」
エリオル:「そこが問題なんです。市役所に確認したのですが、あの手すりはこれまで一度も壊れたことも修理されたこともありません。つまり・・・」
ヤマザキ:「つまり、何者かがあの手すりを破壊した後、極秘裏に修理をした、ということか」
エリオル:「その通りです。しかも、この腐り方は尋常の手段によるものとは思えません。これはおそらく、細菌兵器による攻撃でしょう」

トモヨ :(あれはわたしの記憶にはありませんけど、あれもやっぱり・・・?)

リ   :(あぁ。オレとさくらだけの時に起きた事件(テレビ61話:さくらとカードとプレゼント)の時の写真だな)
キノモト:(だから、なんであの時の写真なんかあるのよ〜〜??)

ヤマザキ:「エイリアン、グレイ、細菌兵器・・・どうやら予断は許されない状況のようだな。よし、TMR緊急出動だ!」
ミハラ :「や、ヤマザキくん!? 出動って午後の授業はどうするのよ」
ヤマザキ:「ミハラ隊員、今はそんな場合じゃない。友枝町の危機なんだ。そしてこの危機に対抗できるのは僕たちだけかもしれないんだ! みんな、行こう!」
エリオル:「はい!」
ナオコ :「行っちゃおう!」
その他 :「・・・・・・・・・」


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異次元に繋がる謎の穴―――
怪力を誇る謎の生物―――
そして、細菌兵器による破壊―――

我々TMRはエイリアンの陰謀の正体をつかむべく
現在も全力で調査を続行中である―――


※この物語は事実をもとにしたフィクションです。
内容に関する問い合わせは、一切受けつけておりません。
ご了承ください。

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