『白雪姫・アダルトバージョン?』


世界迷作劇場その9 白雪姫アダルトバージョン(笑)

キャスト
白雪姫:撫子さん(さくらママ)
王妃:園美さん(知世ママ)
魔法の鏡:藤隆さん(さくらパパ)
王子様:???

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昔々のその昔。
ある国に一人の王妃様がいました。
この王妃様はとても美しく、国中で評判になるほどでした。
ですが。
なんといいますかその。
ありがちな話ではありますがこの王妃様、外見はとても美しいのですが性格の方はちょっとアレな方でした。

「お〜ほっほっほ。女王様とお呼びっ!」

訂正。
王妃様じゃなくて女王様だったみたいです。
ちょっとどころか相当にアレな性格なお方ですね。
まあ、おとぎ話にはこの手の女性がけっこう出てくるのでそういうものだと思っておきましょうか。
さてこの女王様・・・・・・じゃなくて王妃様。
その強力な権限にものを言わせて数多くの宝物を所蔵していましたが、その中でも特に優れた一品があります。
それがこの魔法の鏡です。
一見、ちょっと豪華なだけに見えるこの鏡。
実はとんでもない能力を秘めていたのです。

「鏡や鏡、魔法のかかった不思議な鏡よ。この世界で一番美しいのはだあれ?」

誰もいない部屋の中で壁にかかった鏡に問いかける王妃様。
問う者はいても答える者のいないはずのこの空間でいずこからともなく不思議な声が王妃様に答えます。

「それはあなたですよ。園美さん」

そう、この鏡は普通の鏡ではありません。
魔法のかかった不思議な鏡なのです。
不世出の魔道士、クロウ・リードが残したというこの鏡は人語を解するだけでなく、世界のありとあらゆるところを写すことができるとても不可思議な力を持っていたのです。
そんなすごい力を持った鏡の判定ですからその辺のミスコン優勝なんかとは比較にならないほどの重みがあるといえましょう。
王妃様もその辺のことはよくわかっていらっしゃるので、鏡の返事にいつも満足して眠りにつくのでした。

しかし。
時とは移り変わってゆくもの。
この世に変わらぬものはない。
全てのものが移り変わっていくとは、これまた伝説の魔道士クロウ・リードの言葉。
鏡の評価もまたしかり。
ある日のこと。

「鏡よ鏡、魔法のかかった不思議な鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」

いつも通りの問いを鏡に投げかける王妃様。
しかし、それに対する答えは。

「あぁ、園美さん。あなたはたしかに美しい。ですが世界で一番美しいのはあなたではありません」

いつもと違う魔法の鏡の答えに王妃様は吃驚仰天。

「ど、どういうことなの!」
「園美さん。あなたはたしかに美しい。ですが、わたしはあなたよりも美しい女性を見つけてしまいました」
「なんですって」
「あなたのその凛とした毅然な美しさもまた美の到達点の一つではあるでしょう。けれども美にもまたいろいろな側面があります」
「そ、それで?」
「最近はわたしの好みも変わってきまして。もっとおしとやかで嫋やかな女性の方がいい、そう思うようになってきました」
「だからなんなの! わたしよりも美しいってそれはどこの誰なの! 早く教えなさい!」
「そうですね。実物をお見せするのが一番でしょう。それは・・・・・・この人です!」

ババ〜〜ン!

大仰なSEとともに鏡に映しだされたのは栗色の髪を垂らした一人の少女。
とても嫋やかで大人しそうで、誰もが守ってあげたい、そう思わせるような女の子です。
たしかに王妃様とは違う、というか正反対の方向の魅力に溢れた女の子ですね。
王妃様の美しさを動の魅力とするならば、こちらは静の魅力というところでしょうか。

「はじめてこの方を見つけた時は思わず天使か、そう言いそうになりましたよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「それ以来ずっとこの方を見続けてきましたが、見れば見るほどこの方の素晴らしさに魅せられるばかりです」
「・・・・・・・・・・・・」
「園美さん、あなたには悪いと思っています。ですが、わたしも魔法の鏡としてウソは言えません。それであなたに叩き割られるならそれも運命と諦めるだけです」

この女王様・・・・・・じゃなかった王妃様を前にして大胆な自説を主張する魔法の鏡さん。
それほどにこの女の子が気に入ったのでしょうか。
たしかに魔法の鏡さんを虜にするだけの可愛らしさを備えた女の子ではあります。
叩き割られるのも諦めるというの覚悟にもウソはなさそうです。
これが自分の運命と全てを受け入れた様子の鏡さん。
けれども、鏡さんの覚悟に反して反して王妃様は身動き一つしません。
ただ鏡に写し出された女の子に見入っています。

「・・・・・・・・・・・・」

予想と違う王妃様の反応に魔法の鏡さんも少し心配になってきました。

「どうしました園美さん」
「本当に・・・・・・。なんて可愛らしい娘・・・・・・」
「園美さん?」
「あぁっ、本当になんて可愛い娘! こんな可愛い娘がいたなんて!」
「そ、そうですね」

おぉっと、これは意外な展開。
女の子の可愛さは魔法の鏡さんだけでなく、王妃様まで虜にしてしまうのでありました。
それほどまでに女の子の可愛さが飛びぬけているということでしょうか。
たしかにこの子、天然というか自分の可愛さに無自覚なところがありまして、そこがまたたまらない魅力となっています。

ちょっと予想外の展開でしたが、どうやら無事にすみそうだと胸を撫で下ろす鏡さん。
しかし、もちろんそうは問屋がおろしません。

「誰かある!」
「はっ、奥様。ここに」

王妃様が一声叫ぶとその声に応じてずらりと黒服で身を固めた女騎士の一団が現れます。

「お前たちに命じます。この女の子を今すぐここに連れてきなさい!」
「はっ。ただちに」
「ちょ、ちょっと園美さん!? いったい何をする気ですか」
「なにってきまってるじゃないの。ナニをするのよ」
「なにって・・・・・・そ、それは・・・・・・」
「もちろんアレよ、アレ。こんな可愛い娘ほおっておけるわけないじゃないの。今ならまだ誰も手をつけてないみたいだし。ふふっ、わたしのものにしてあげるわ」
「そ、そうですか・・・・・・」

ありゃりゃ。
どうやらこの王妃様、口よりも手が先に出るタイプみたいですね。
前回の王妃様もかなりアレな人でしたけど、こっちの王妃様もそれとは違った方向にアレな人みたいです。
さすがにそれに気づいた魔法の鏡さんもこれ以上の口応えは差し控えます。
下手なこと言うと自分の身が危ないですし。
そうこう言ってるうちに黒服さんたちが白雪姫を拉致して連れてきました。
黒服さん、実に手際がいいです。
日頃何をやっているのか聞きたくなるほどの手際のよさですね。
聞かない方がよさそうですけど。

「ここは、どこ? あなたは?」

白雪姫は自分の身に何が起きたかまだ理解できていない模様。
ま、そりゃあ普通理解できないでしょう。

「ここはお城よ」
「お城?」
「そう。わたしのお城、わたしの王国・・・・・・。わたしが全てのわたしの世界・・・・・・」
「あなたのお城?」
「そう。この国はわたしのもの。この国にある全てのものはわたしのもの。つまり・・・・・・白雪姫、あなたもわたしのものなのよ!」
「きゃあぁっ!」

どこぞのゲームのラスボスみたいな台詞と共に白雪姫に襲い掛かる王妃様。
本当に自分の欲望に忠実な人ですね〜〜。
見習いたいものです。

「あぁぁ、やだ、やめて! だ、だめ」
「ふふっ、可愛い娘。そんな風に言われるとますます苛めたくなっちゃうわ」
「まあまあ園美さん。初めからそんなではいけませんね。最初は優しくしてあげないと」
「あ、あなたは?」
「わたしは魔法の鏡。さ、撫子さん。力を抜いて」

いつの間にか実体化した魔法の鏡さんまで乱交に乱入。
この魔法の鏡さんもどうやらアレな人だったみたいです。
ま、原作では高校生の教え子に手ぇ出すようなよく考えるとトンでもない人でしたし。
桃矢くんの年齢から考えるとどう考えても高校生に手ぇ出してますよね、この人。
天下のN○Kでそれは許されるのか?
さすがはCLAMPキャラ。
自分の欲望に正直です。

「お顔だけじゃなくてここも可愛いのね。本当に素敵な子」
「そ、そんなところ、ダメぇ」
「ならばここならどうです? ほら」
「あ、あ、あぁぁ〜〜。だ、だめぇぇぇ〜〜〜〜」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・

こうして(どうして?)生まれたのが前回出てきた白雪姫と王妃様です。

END


う〜〜ん、これまたなんちゅうかな〜〜。
アダルティっちゃあそうなんやけどな。
ちょいとキャストの年齢設定を高くしすぎたか。
ちゅーかやっぱ人選の問題か。
なんせあの知世のかーちゃんやからなあ。
あのかーちゃんに好きにさせたらこうなるのも当たり前か。
さくらのとーちゃんも結構アレな感じやしなあ。
教え子に手ぇ出しちゃアカンやろ。
どうにもうまくいかへんなあ。
やっぱりここは王道で行くべきかいな。

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