『白雪姫』


世界迷作劇場その9 白雪姫

キャスト
白雪姫:さくら
王妃:知世:
魔法の鏡:ケルベロス
王子様:小狼(笑)

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昔々のその昔。
ある国に一人の王妃様がいました。
この王妃様はとても美しく、国中で評判になるほどでした。
ですが。
なんといいますかその。
ありがちな話ではありますがこの王妃様、外見はとても美しいのですが性格の方はちょっとアレな方でした。

「鏡や鏡、魔法のかかった不思議な鏡さん。世界で一番美しいのはだあれ?」

壁にかかった鏡に向かって話しかける王妃様。
う〜〜む。
事情を知らない人が見たらおかしいのは性格ではなくてお頭の中身の方じゃないかと誤解されそうですね。
でもそこはそれ、ここはおとぎ話のメルヘンの世界。
この鏡は普通の鏡ではありません。
魔法のかかった不思議な鏡なのです。
鏡は王妃様の問いに答えます。

「なんやうっさいな〜〜。今、ゲームがいいとこなんや。あとにしてんか」

えせ大阪弁で。
いったいこの鏡さん、どこの出身なのでしょうか。
とりあえずおとぎ話には出てきそうもない地方の出身のように見えますが。
原作もそんな感じでしたのでそこはスルーしときましょうか。
一応言っときますとこの鏡さんの出身はイギリスのある地方だったりします。
このしゃべり方は一時期いた国の言葉に染まってしまったという設定です。
二次創作だとその辺みなさん、すっかり忘れてんじゃないかって気もしますけど。
クロウ、ユエ、ケルベロスの過去時代も大阪弁でしゃべってる作品がちらほらあるような。

ま、そこはおいといて。

「あ〜〜ら、ケロちゃん。ずいぶんといいご身分になられてものですのね。そのPS Vi○aは誰がお金を出したと思っていらっしゃいますの?」
「ふん、そんなんもらってしまえばもうこっちのもんや」
「そうですの。それではこのWi-Fiルータはどっかにやってしまいましょうかね」
「ちょ、ちょっと待てや。それを持ってかれたらネットに繋げんやないか。今、モ○ハ○でジンオウG装備を集めてるところなんや」
「最近はネットに繋がないとまともにゲームができませんからねえ」
「くっ、鏡の中に持ち込めるんは携帯機だけやからな」

そうですね。
鏡さんの言うとおり、最近はどんなゲームもネットに繋ぐのが前提でネットに繋がないといい具合にならないゲームが多いですからね。
鏡の中に有線LANは引けないので必然的に鏡さんのゲーム機はPS V○taとなってしまうようです。

ま、その辺もおいといて話を進めましょうか。

「ではもう一度お聞きしますよ。鏡よ鏡、世界で世界で一番美しいのはだあれ?」
「それは知世、お前や! 知世が世界で一番美しいわ!」
「おほほほ。ありがとうございます」

鏡の答えに満足そうにうなずく王妃様。
というのも王妃様はこの鏡がけっして誤ったことは言わないということをよく知っていたからです。
性格はアレでも一応は不世出の魔導師の作り上げた至高の逸品ですので。
その言葉はそんじょそこらの評価よりもはるかに高い価値があることを重々承知だったのですね。

さて。
王妃様と鏡がそんな阿呆なやりとりを過ごすうちにも時は移り変わります。
この世に変わらぬものはない。
全てのものが移り変わっていくとは伝説の魔道士クロウ・リードの言葉。
鏡の評価もしかり。
ある日のこと。

「鏡よ鏡、魔法のかかった不思議な鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」

いつも通りの問いを鏡に投げかける王妃様。
しかし、それに対する答えは。

「それは知世、お前や! と言うてやりたいところやがな。事情が変わったんや」
「あら。どういうことですの」
「知世、お前はたしかにきれいや。世界でお前が一番美しいゆうのもあながち間違いやないやろ。せやけどな。なんちゅうたらええかな」
「なんですの」
「ま、美しさの基準にもいろいろな考え方があるっちゅーことや。お前のその性格にあわんおしとやかさも悪くはないんやけどな。最近はこう、もっと明るく元気のある娘の方がいいっちゅーか」
「だからなんだというのですか。わたしよりも美しい娘を見つけたというのですか」
「はやい話そういうこっちゃな」
「まあ! いったいそれはどこのどなたですの!」
「それは・・・・・・こいつや!」

ババ〜〜ン!

大仰なSEとともに鏡に映しだされたのは栗色のショートカットをした一人の少女。
くりくりとしたお目目が可愛らしい女の子です。
たしかに王妃様とは違う、というか正反対の方向の魅力に溢れた女の子ですね。
王妃様の美しさを陰の魅力とするならば、こちらは陽の魅力というところでしょうか。

「わいも初めはちょっと可愛いかな、くらいやと思っとったんやがな。この子の内面からにじみ出る明るさっちゅーか、元気? そんなんにだんだん惹かれてきてな。今ではこの子の方はお前より明らかに上! そう思うようになってしまったんや」
「・・・・・・・・・・・・」
「それにこの子、えろう女の子らしいんやわ。なんでもない些細なことでえらい可愛い仕草をみせるんや。それがまたよくてな。こう、きゅ〜〜っとくるんや」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前には悪いと思っとるで。せやけど、わいにも魔法の鏡としての矜持がある。心にもないウソは言えん。これでお前に叩き割られるならそれも運命と諦めるわ」

この王妃様を前にして大胆な自説を主張する魔法の鏡さん。
それほどにこの女の子が気に入ったのでしょうか。
たしかに魔法の鏡さんを虜にするだけの可愛らしさを備えた女の子ではあります。
叩き割られるのも諦めるというの覚悟もウソではなさそうです。
ですが、いつハンマーが飛んでくるかと身構える鏡さんの予想に反して王妃様は身動き一つせず鏡に写し出された女の子に見入っています。

「・・・・・・・・・・・・」

予想と違う王妃様の反応に魔法の鏡さんも少し心配になってきました。

「どうしたんや知世。さっきから黙り込みおって。お前らしくないな。どうしたんや」
「本当に・・・・・・。なんて可愛らしいお方なのでしょう!」
「は?」
「あぁっ、本当になんて素晴らしいお方! この方こそわたしの求めていた理想! まさに理想の具現! うっとりですわ〜〜」
「さ、さよか」

おぉっと、これは意外な展開。
女の子の可愛さは魔法の鏡さんだけでなく、王妃様まで虜にしてしまいました。
それほどまでに女の子の可愛さが飛びぬけているということでしょうか。
たしかにこの子、天然というか自分の可愛さに無自覚なところがありまして、そこがまた男子心をこよなくくすぐるところがあります。
これにやられて人の道を踏み外した殿方は数知れず。
人生ブレイカーのタグは伊達ではありません。
(Pix○vで確認してみよう!)

予想外の展開でしたが、どうやらやっかいな事にならずにすみそうだと胸を撫で下ろす鏡さん。
しかし、もちろんそうは問屋がおろしません。

「ケロちゃん!」
「な、なんや」
「ケロちゃんは世界のどこでも好きなように写しだせるのでしたね」
「そ、そうやが。それがなにか」
「おほほほ。きまっているじゃありませんか。ケロちゃん! 今日からあなたのお仕事はこのお方のお姿をすみからすみまで欠かさず写し取ることですわ」
「な、なにを言うとるんや、お前は」
「このお方の人生の全てを記録に残すことがわたしの天命! そう悟りましたの。たしかケロちゃんには最新のUSB端子もついてましたわよね。これならブ○ーレイの高画質記録もバッチリ! あぁ、これから忙しくなりますわ〜〜」
「人生の全てって・・・・・・。それは盗撮っちゅーやつでは・・・・・・」
「心配ご無用。おとぎ話の世界には迷惑防止条例とかありませんから。問題なし! ですわ」
「そういう問題とちゃうやろ!」

いや、たしかにおとぎ話の世界に迷惑防止条例はないでしょうけど。
USBとかブ○ーレイとかもないような・・・・・・
ま、それを言い出したらここのお話はほとんど成り立たないのでいつも通りスルーしておきましょうか。

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新たに見つけ出した天命に日々いそしむ王妃様。
魔法の鏡さんもその他の部下たちも静観を決め込んだようです。
これまでの王妃様のご無体に比べれば特に被害も出なさそうでしたので。
盗撮される当の白雪姫を除いては。

「う〜〜ん」
「どうした、さくら」
「なんかね。最近、いつも誰かに見られてるような気がするの」
「気のせいじゃないか。このお城に忍び込んだりできるやつはいないぞ」
「それはわかってるんだけど〜〜」
「おれの結界を破って侵入できるやつなんていないさ。お前を見ているのはオレだけだ」
「小狼くん・・・・・・」
「いや、違うな。お前を見ていいのはオレだけだ。オレだけがお前の全てを見ていい」
「やぁ、だめ、小狼くん。また見られてるよ・・・・・・」
「ふふっ、どうしたさくら。見られてる方が興奮するのか? お前にそんな性癖があるなんて知らなかったぞ」
「小狼くんのばかぁ・・・・・・」
「あぁ、さくら・・・・・・」
「小狼くん・・・・・・」

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「あぁぁっ! 素晴らしい、素晴らしいですわ、白雪姫ちゃん! あえぐ姿も素敵!」
「やれやれ。こっちの身にもなってくれや」
「ケロちゃん、もっと寄って! もっと左! そう、そのアングルですわ! あぁぁ、なんて可愛いんでしょう! こんな白雪姫ちゃんを写せるなんて幸せですわ〜〜 人生絶頂ですわ〜〜〜〜!!」
「さよか・・・・・・」

こうして魔法の国の日々は平和に過ぎていくのでした。
めでたしめでたし?

END


う〜〜ん、なんちゅうかな〜〜。
魔法の鏡と知世っちゅー組み合わせはベストやと思ったんやが。
組み合わせが良すぎるのも考えもんちゅーことか。
まあ、あいつに魔法の鏡なんちゅう便利なもん渡したらこうなるのが当たり前やったか。
ちょいとミスキャストやったようやな。
やめやめ〜〜。
キャストを変更してリトライや。
次はちょいとアダルティなキャストで行ってみよか〜〜。

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