『さくらぺろぺろする』


※注意
本作はパラレルものです。

小狼−高校生
さくら−小狼に拾われた子犬

という設定です。



ふぁぁ〜〜ぁ。
あ〜〜よく寝たな〜〜。
ちょっと寝すぎちゃった。
お昼ご飯食べてすぐ眠っちゃったからな〜〜。
ご飯食べると眠くなっちゃうんだよね。
でもしょうがないよ。
だって、小狼くんの作るご飯すごくおいしいんだもん!
どうしたっていっぱい食べちゃうよ。
いっぱい食べたらな眠くなっちゃうのはあたりまえだよね。
それにいいんだもん。
だって、さくらワンコだし。
ワンコのおしごとは眠ることなんだから。
それに言うでしょ?
寝る子は育つって。
いっぱい食べていっぱい眠ればさくらもおっきくなれるもん。
ぼでぃだってこう、ぼんっ、ぎゅっ、ぽんっ、って感じになって小狼くんをのーさつしちゃうんだから。
それにしてもちょっと寝すぎちゃったかな。
お日様がもう傾いてきちゃってるね。
まだ夕方ってほどじゃないみたいだけど。
うん、まだまだ今日はこれからだよ。
いっぱい遊ぶぞ〜〜。
しゃおらんく〜〜ん。

って、ん?
あれ?
小狼くんは?
小狼くんどこ〜〜?
あれ〜〜?
おかしいなあ。
おうちの中が静かすぎるよ。
まるで人がいないみたい。
いつもは小狼くん、お掃除してたりお洗濯してたりいろいろやってるのになあ。
小狼くん、どっかいっちゃったのかな?

小狼く〜〜ん。
小狼く〜〜ん。
小狼・・・・・・いた!
小狼くん!

「すーーっ、すっーー・・・・・・」

って、あれれ?
小狼くん、おねんねしてる?
こんな時間に?
めずらしいね。
小狼くんはさくらと違ってお昼におねんねしないのに。
それにソファでおねんねってのもめずらしいよね。
お洋服も着たまんまだし。
どうしたんだろ。
ん?
あれ?
あそこ・・・・・・床にご本が落ちてる?
これもめずらしいなあ。
小狼くんはいつもおかたづけとかキチンとしてるんだけど。
さくらのオモチャをかたづけてくれるのも小狼くんだし。
えへへへ。
よく見たら机の上にお菓子も出っぱなしになってる。
いつもの小狼くんならこんなことないのになあ。
どうしちゃったのかな。
う〜〜んと。
そっかぁ。
わかったぞ。
小狼くん、ソファでご本を読んでたら眠くなっちゃったんだね。
きっと、お菓子を食べながらご本を読んでてそのまま寝ちゃったんだ。
だからご本もお菓子も出っぱなしなんだね。
最近疲れてるとか言ってたし。
小狼くん、おつかれさま。

ん〜〜。
でもどうしよっかな〜〜。
小狼くんと遊びたかったんだけど。
起こしちゃ悪いよね。
よく寝てるし。

「うぅっ、あ、姉上。それだけは勘弁してください。むにゃむにゃ」

お姉さんの夢見てるのかな。
そういえば小狼くんってお姉さんがいるんだよね。
それも4人も。
会ったことないけど小狼くんのお姉さんなんだから、きっとキレイな人なんだろうな〜〜。
あ〜〜でも困ったな〜〜。
どうしよう。

ん?
小狼くんの指になんかついてるような。
なんか白っぽいの。
なんだろ。
ちょっと見てみよ。
うんしょうんしょ。
よいしょっと。
さくら、最近はこのソファにも昇れるようになったんだよ。
すごいでしょ。
って、それはおいといて。
やっぱりなんかついてるよね。
なにかな〜〜。
こういう時は〜〜。
とりあえずなめちゃえ。

ぺろっ。

うん? あまい?
これ、クリームかな。
よくお菓子にのっかってるの。
そっかあ。
小狼くん、お菓子を食べながら寝ちゃったんだもん。
それでお菓子のクリームがお手てについたままになっちゃったんだね。
お手ても拭かないで寝ちゃうなんて。
そんなに眠かったの、小狼くん。
よ〜〜し。
さくらが小狼くんのお手て、きれいにしてあげる!

ぺろぺろ
ぺろぺろ
ぺろぺろ
ぺろぺろ・・・・・・

あま〜〜い。
あまくておいしいなあ、このクリーム。
さくらも一緒にお菓子食べたかったな〜〜。
ま、それはともかく。
うん、きれいになったね。
小狼くんのお手て、きれいになったよ。
どう? わたし、えらいでしょう。えへへへ〜〜。

「ううん・・・・・・」

わわっ!? しゃ、小狼くん?
起きたの?

「う〜〜ん。むにゃむにゃ」

違ったみたい。
また寝ちゃった。
よっぽど眠いんだね。

さてと。
どうしよっかな〜〜。
小狼くん起きそうもないし。
お手てもきれいにしちゃったから、もうやることもないしな〜〜。

・・・・・・。

そうだ。
まだやることがあるよ。
小狼くんのお手てにクリームがついてたのはお菓子を食べてたからだよね。
ってことは当然・・・・・・お口にもクリームがついてるよね。
うん、きっとそうだよね。
ふふふ〜〜。
小狼くんをきれいにしてあげるは小狼くんのワンコのさくらのお仕事だよね。
うん!
小狼くんをきれいにしてあげなくっちゃ!
よいしょ、よいしょ。
そ〜〜っと。
小狼くんを起こさないようにと。
うんしょ、うんしょ。

さくらが乗っかっても小狼くん起きないなあ。
ほんとうによく眠ってるよ。
さて、小狼くんのお口はと。
うん、やっぱりクリームがついてるよ。
さくらがきれいにしてあげるからね、小狼くん。
そ〜〜っと。
ううっ、き、緊張するなあ。
こ、これはき、キッスじゃないからね。
ただ、小狼くんのお口をきれいにしてあげるだけなんだからね。
い、いくよ。
え、えぃっ。

ぺろっ。
ぺろぺろ

ふぅ。
どうかな。
きれいになったかな?
う〜〜んと、まだちょっと残ってるかなあ〜〜。
それじゃあ。

ぺろぺろ
ぺろぺろ

これでどうかな。
きれいになったような。
う、ううん。
やっぱりまだ残ってるよ。
もっとちゃんとしてあげなくちゃ。

ぺろぺろ
ぺろぺろ
ぺろぺろ・・・・・・

ふぅぅ。
さすがにきれいになったかな〜〜。
もう残ってるところはないかな〜〜。
・・・・・・。
ないみたいね。
もうなめるところなくなっちゃった。
これでさくらのお仕事もオシマイかあ。
う〜〜ん。
小狼くんまだ起きないし。
これでオシマイなのはちょっとつまんないなあ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・

小狼くん、すっごくよく寝てるね・・・・・・。
さくらがぺろぺろしたのに起きなかったよ。
い、いまなら・・・・・・。
なにをしても大丈夫、かな?
き、キッスとかしても。

だ、だめぇぇぇ!
なに考えてるの、わたし!
そんなのダメなんだから。
眠ってる小狼くんにキッスとかそんなのダメなんだから。
だ、ダメなんだけどぉ〜〜。
でも今なら。
だ、大丈夫、かな?
大丈夫だよね。
小狼くん起きそうもないし。
今なら。

そ〜〜っと。
そ〜〜っと。
うぅ、さっきより緊張するよ〜〜。
そ〜〜っと。
そ〜〜っ・・・・・・ぽてっ。
うわわっ。
やだ。
足が滑っちゃった。

「う、ううぅ・・・・・・」

あ、小狼くん。
今ので起きちゃったかな。

「うぅ・・・・・・さくら」

やっぱり起きちゃったかあ。
起こしちゃってゴメンね小狼くん。

「うぅっ、さくら、そっちは危ないぞ。こっちにおいで」

ほ、ほぇ?
ほぇぇぇ!?
むぎゅっ。
ふむむむ〜〜。
しゃ、小狼くん〜〜??
わ、わたし今、小狼くんに抱きしめられてる〜〜〜〜??
ほぇぇぇ〜〜〜〜。
な、なんなのこの恰好〜〜。
小狼くんに抱きしめられちゃって・・・・・・う、動けないよ〜〜。
うんしょ、うんしょ。
だ、だめ〜〜。
全然動けないよ〜〜。
はぅぅ〜〜〜〜。
小狼く〜〜ん。
小狼くん、起きたんじゃないの〜〜??

「さくら、暴れちゃダメだぞ。大人しくしてるんだ。う〜〜ん。むにゃむにゃ」

起きてない〜〜。
小狼くんまた寝ちゃったよ〜〜。
ほええ〜〜。
うんしょ、うんしょ。
やっぱりだめ〜〜。
動けないよ〜〜。
わたしの力じゃ無理〜〜。
ど、どうしよ〜〜??

でも。
まぁ、いっかぁ〜〜。
小狼くんと一緒だし。
こうして小狼くんに抱きしめられてると小狼くんと一つになれたみたいでなんか気持ちいいよ。

トクントクン・・・・・・

小狼くんの胸の音が聞こえる・・・・・・
これが小狼くんの音なんだね。
気持ちいい・・・・・・
こうして聞いてると。
さくらもなんか眠くなってきちゃった。
ふぁぁ〜〜ぁぁ。
小狼くん・・・・・・
小狼くん、とっても気持ちがいいよ・・・・・・

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ソファの上で気持ちよさそうに眠る一人と一匹。
でも、見ている夢は少し違うみたいです。

「さくら〜〜。そんなことしちゃダメだぞ。あ、そんなもの食べちゃダメだ。ぺっぺしなさい。う〜〜ん、う〜〜ん」
「あははは〜〜。小狼くん、こっちこっち〜〜。むにゃむにゃ」

元気いっぱいのさくらとちょっと心配性の小狼くん。
それが夢にもあらわれているようですね。
まあ、二人とも幸せそうだからよしとしましょうか。

END


ワンコさくら物語でした。
前の話は小狼がさくらをペロペロする話だったので今度はさくらにペロペロしてもらうことにしました。
小狼がソファで寝ているのは珍しいと書いたのですが、前のさくら犬の話でも寝てましたね。
まあ、よくあることということで。

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