魔法札捕獲黙示録・小狼

サクラ 闇に降り立った天才
〜可憐の闘札〜



キャスト
カイジ:小狼
アカギ:さくら
利根川:ケルベロス

その他、わけのわからんキャストでお贈りいたします

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〜〜前回までのあらすじ〜〜

平成10年の友枝町。
不世出の魔道士の遺産、クロウ・カードを求めて争う二つの影があった。
カードの守護者、ケルベロスの見出した天才・さくら。
クロウ・リードの血を引く李家の俊才・小狼。
異なるベクトルを持つ二つの才能が『火』のカードを巡ってここ、友枝遊園地で火花を散らす!
そして激闘の末、カードを手にしたのは……さくら!

さくら:「ふう。これが『火(ファイアリー)・・・・・・』
小狼 :「バ、バカな・・・『風』・・・『水』・・・・・・高位カード2枚同時っ・・・! ない・・・それだけはない・・・ここでそれは・・・ありえないっ・・・!!」
ケロ川:「ククク・・・・・・」
小狼 :「くっ・・・な、なにがおかしいっ!」
ケロ川:「小僧・・・・・・ わいにはよ〜〜っくわかるでぇ。小僧が何を考えその第一打『時』のカードに到ったか・・・・・・ まあ、それほど間違ってはおらん。魔法を使うものにとっては定石かもしれん」
小狼 :「・・・・・・」
ケロ川:「けどな。その定石っちゅう地点がもっとも浅はかなんや。クロウカードを相手にする場合は・・・・・・ わかるか、小僧。お前の犯した過ちが・・・・・・」
小狼 :「オレの・・・過ち・・・・・・?」
ケロ川:「小僧。お前は知に頼りすぎとる。知恵・・・知識・・・理論・・・・・・まあ、小僧のそれが悪いとは言わん。いや、小僧の知はそこらの有象無象を遥かに凌駕しとるかもしれん・・・・・・ けどな。それだけでは足りん・・・足りへんのや」
小狼 :「足りない・・・? なんだ・・・何が足りないっていうんだ・・・・・・」
ケロ川:「わからんか? さくらにあって小僧にないもの・・・ククク・・・・・・」
小狼 :「やめろ! 笑うな! その耳障りな笑い方はよせっ!」
ケロ川:「ククク・・・・・・まあ、わからんというなら特別に教えてやるわ。ええか、小僧。小僧の知はたしかに優れとる・・・・・・ けどな、それは所詮“人の知”でしかない・・・・・・」
小狼 :「人の・・・知・・・・・・?」
ケロ川:「そうや。そしてクロウカードとは“人外の存在”っ! 人外の存在の前では小賢しい人の知なんぞ無意味っ・・・! 人外の存在に立ち向かうには人を超えた閃き・・・センス・・・それも圧倒的・・・・・・神懸り的な閃きが必要っ!」
小狼 :「閃き・・・・・・」
ケロ川:「さくらにはそれがある・・・・・・ しかし、小僧! お前にはそれがない・・・ この違いは決定的・・・・・・いや、絶対的な差っ!」
さくら:「『眠(スリープ)』でみんなを眠らせてから『時(タイム)』? なんか消極的な戦法だな〜〜。意外に臆病だね、李くん。あ、雪兎さん!」
雪兎 :「さくらちゃん! いきなりいなくなってビックリしたけど大丈夫だった?」
さくら:「はい。わたしは大丈夫です。雪兎さんも無事だったんですね」
雪兎 :「僕も桃矢もケガはなかったよ。それにしてもなんだったんろうね。でも火が消えてよかったよ」

さくら:「あ、あの・・・・・・雪兎さん。もう遅いですしその・・・・・・最後にあの観覧車に一緒に乗ってくれませんか?」
雪兎 :「そうだね。もうこんな時間だし。あの観覧車に乗って終わりにしようか」
さくら:「はい!」
小狼 :「あぁ・・・あぁぁぁっ・・・・・・!」


去る……去ってゆく……
カードも……雪兎も……思い描いた未来も……
全てが去ってゆく……
小狼の手からっ……
全てがっ……!!

まるで握り締めた拳から砂が零れ落ちて行くかのように……
どれほどに力を込めても無意味……
力を込めれば込めるほどに早く……零れ落ちる……
止まらない……負の連鎖……
止められないっ……!

2クール放映終了時点での獲得カード枚数
さくら:24枚(高位カード3枚含む)
小狼 :3枚
※平成10年の2クールは現在の4クールに相当


大差……圧倒的大差……!
もはやこの差は決定的……絶望的な差……!

小狼 :「ダメだ・・・勝てない・・・オレには・・・・・・ あいつからカードを奪うのも不可能・・・・・・ もうオレに残された手は何も・・・・・・?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

小狼 :「・・・・・・!」

その時、小狼に電流走るっ……!
圧倒的閃き……!

ケロ川:「おら、どうした小僧。もう降参か・・・・・・? あ〜〜〜ん・・・・・・? なんとか言うてみんかい!」

嘲弄するケルベロスの声も耳には届かない。
それほどの閃光……光が……
小狼の脳を刺す……! 閃く……!
この土壇場で…………!
あの怪物、さくらを出し抜く妙手……
この窮地を覆しうる奇跡のような策が雷のように小狼の頭を走り抜けるっ……!!

小狼 :「勝てる・・・いや、勝てはしない。しかし、掴める・・・掴みうるっ! カードも・・・未来も・・・全てを・・・・・・!」


続・・・・・・かない

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知世 :「狙いをカードからさくらちゃん本人に変える・・・・・・ そうすれば全てが手に入る・・・・・・ カードも・・・さくらちゃんのお体も・・・全てが思いのまま! あぁ、まさに鬼謀! 神をも出し抜く悪魔的奇策・・・・・・!」
小狼 :「・・・ちょっと待て」
知世 :「はい。なんでしょうか」
小狼 :「なんだ、これは?」
知世 :「わたしが作成したMAD動画ですわ。よくニ○ニ○動画にアップされてますでしょう」
小狼 :「いや、オレが聞きたいのはそこじゃない。このビデオ、どうやって撮った! あの時、お前は『眠(スリープ)』で眠ってたはずだぞ! どうして画像がある!」
知世 :「えぇ。たしかに眠っていましたわ。ですが、家に帰ってから確認したら一部始終がビデオに記録されてましたの」
小狼 :「な・・・・・・?」
知世 :「精神は眠りに落ちても身体はさくらちゃんを撮り続ける・・・・・・ あぁっ、これこそ愛の証! 至高の愛、ここに極まれり・・・・・・! ですわ〜〜」
小狼 :「こ、こいつ・・・・・・!」


強欲……
貪欲……
さくらの盗撮にかける飽くことなき妄執……執念……!!
小狼は確信する
大道寺知世、この女こそ闇……!
友枝町を覆い尽くす……漆黒の闇の権化……!!

トモヨ 〜〜閻魔の盗撮〜〜



地震前にTMRと一緒に書いていたものです。
さすがにさくらお誕生日にこれではなんなんのでもう1本掲載します。
書いている最中に、福本先生が3000万円の寄付をされたニュースが流れました。
「絶対に負けないっ!」
福本先生、かっこいいです。

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